マゾ絵物語 性の消耗品

  • 2013/12/09(月) 20:27:09

マゾ絵物語
性の消耗品
作 水原秀美
画 春川ナミオ


    〈一〉
 三郎がエミ様に連れられて、セックス・ペットの競売会に出品されたのは、十九才の時だった。
生まれた時から奴隷として育てられ、長ずるに及び、エミに徹底的にセックス・ペットとして仕込まれた三郎は、自分の運命を悲しいとも辛いとも思った事はない。
只永い事お仕えして来たエミ様の許を去らねばならないのが、辛かった。
後手縛りにされた上、全裸のまゝ女性達の前に恥部を曝らすのは、一寸恥ずかしかったけれど、妙な快感もあって苦痛ではない。
下を向いているとエミが顎を持って、グイッと上を向かせる。
「可愛いい!素敵な子じゃないの」
「そうでしょう。私も本当は手離したくないのよ。いゝ値をつけて頂戴」
「舌の長さはどうかしら」
「あんた、あれが好きね.男は勃起力と持続力よ」
「どうぞ、手で触っておためし下さい。サブ、お客様に舌を出してお見せ」
エミの声に、三郎はおづおづと舌を出す。
女客の一人が、舌を手で引張りながら、ついでに口中の歯の具合いを見る。
奴隷を買う場合は歯が重要なのだ。
別の客は、直接彼の男性を握って、しごいてみる。
物指しが当てられて、子細に計られる。
「わりと良さそうじゃないの」
「問題は持続力ね。買う前に味見してみるわけにはいかないの」
女達がどっと笑った。.
「忠節度はどうかしら?」
「それはもう絶対と云ってぃゝ位に仕込んで御座居ます。一寸ごらんにいれましょうか」
女達は首から3の番号をぶら下げたペット奴隷サブに、えらい興味を持ったようだ。
こゝは金持婦人達の集る秘密社交場。
そこで行われるペット奴隷のせり市だ。
プロの女調教人達は、精魂をかたむけて調教したペット遠を、こゝでせりにかけて売りとばし、莫大な収入を得ていた。
エミは、この世界では一寸顔の売れた調教人。
彼女の手がけたペット達は、特に高い値段がついた。

  〈ニ〉
 「サブ、伏せ!伏せよ」
後手を解かれた三郎は、エミの声に慌てて犬のように身を伏せた。
「これを取っておいで」
棒切れを投げたのを必死に追いかけて、口にくわえてくる。
「よし、お手、チンチンしてごらん」
これが一番早い。犬のようにチンチンをして、本当にそれをゆすってみせる。
見物している女達が又ドッと笑った。
「よし、御褒美だよ」
エミは犬皿の上にペッと唾を吐く、三郎はおいしそうにそれを舐めた。
エミ様の唾は、どうしてこんなにおいしいのだろうと思う。
しかしこの日のせり市では、結局値段が折合わず、三郎は売れ残りエミの家へ連れ戻された。
彼女の御機嫌麗しからず、首輪をつけられて浴室へ連行されると、猛烈な折檻が待っていた。
「お前が、もっとシャンとしないから、いヽ値段で売れなかったじゃないか、このうすのろめ」
全裸で立ってヴィーナスの手には調教用の革鞭が握られている。
タイルの上に大の字に寝かせられた三郎の上に、革鞭が乱舞した。
最后はおきまりの用にエミの黄金のネクタールが、彼の顔面にふり注いだ。
恍惚の中で、この甘美な折檻も買主がきまったらもうお仕舞いだと思うと、三郎は無性に悲しかった。

       《三》
 次のせり市の時、遂に三郎は富豪のじゃじゃ馬令嬢によってせり落された。
今回は前手縛りのまま、令嬢ユリに受渡しが行われた。
「ねえエミさん、このペットを飼う上での注意事項は?」
「そうですね。おとなしい動物ですから、特に注意しなければならない事もありませんけど、時折り何か落度を見つけて、革鞭を呉れてやることね。餌は残飯なら何でも喜んで喰べますわ。特に好きなものっていったら、女性の唾かしら」
「あら面白い。じゃ早速私の唾を恵んでやろうかしら」
「サブ。新しい御主人様があゝ仰言ってるんだよ。御礼を云いなさい」
「有難う御座居ます」 不意にユリの長い足が、膝まづいている彼の首に捲きついた。
彼の髪の毛を持って、ぐいと顔を上向かせると、ユリの恰好いヽロから唾がツウーと落下して来た。
サブのロがそれを受ける。
生暖かい唾が、舌から咽を通って胃の府へと流れてゆく。
新しい御主人様の生唾は、煙草の匂いと、若い女性の甘い痺れるような味とがミックスして身のとろけるようなおいしさだ。
その最初の調教を、金を受取ったエミが少し惜しそうな表情を浮かべて見つめていた。


      《四》
 ユリの調教は、厳しさにおいてエミの比ではなかった。
エミは売物を作ると云う意味で、あまり傷をつくるの好まなかったが、ユリは人間馬競争の競争馬に仕立てようという目的があるので、三郎は徹庭的にしごきにしごかれた。
昼は人間馬として訓練し、くたくたになった三郎を、夜はセツクス・ペットとして、激しく愛用した。
気が向くと首輪に紐をつけたまま、ベッドの中に引きずり込み、朝まで寝かさない。
彼の舌も唇も指も、セックスも、彼女の満足の為には飽く事のない奉仕を強要された。
遂に人悶馬による競走ゲームの日が来た。
美女達はいづれ劣らぬ牡ペットを引きつれて、美々しく乗込んでくる。
多額の賞金がかけられ、女達は馬共に激しく鞭をくれた。
三郎も必死になって走ったのだが、連夜の過剰セックスサービスが仇になり遂にドン尻。
「ふざけやがって、こんなのろ馬を掴ませるなんて、ペテンだわ」
折檻の為、天井から吊された三郎は精を絞りとられ、消耗品のように疲れ果てゝいた。




女王様の愛虐

  • 2013/12/09(月) 18:00:50

女王様の愛虐

北林 一登
春川ナミオ・画

美貌の受刑者

「私ですか?殺人と死体遺棄だわ」
 私の質問に対して、女は事もなげにこう答えた。
「刑期は?」
「十年よ。もう五年六ヵ月いるから、あと四年とちょっとね」
ここは和歌山にある女子刑務所の面会室の一室である。窓からは晩秋の木洩れ日が薄い日ざしを投げかけていた。
男の受刑者と、女の受刑者との違い、そんなことが判ればと思い雑誌社の依頼でここを訪れた私は、意外にあっけらかんとした彼女の返答に、こちらがドギマギしてしまった。
男は殺人をすると、夢でうなされたり、苦しがったりするが、女は割りと平気だと聞いたことがある。
しかし私の目の前に坐っている女性は、平気というよりも、自分の殺人、死体遺棄という行為に、全然罪の意識を持っていないようにみえる。
いやむしろ、彼女の遠い所を見るような目付きには、昔の楽しい出来事を思い出しているかの如くにさえ見えるのだった。
「どんな事情で、殺人を犯したのですか。もし差支えなかったら話してくれませんか」
あんた小説家だってね。小説のネタにするんでしょう。いいわ、暇つぶしに私のことを話してやるわ。でもうまい小説に書いてよ」
女は残酷なチャイルドベビーのような顔を少しゆがめて、嘲笑うようなほほえみを見せた。

私は子供の時から女餓鬼大将でね、男の子と喧嘩しちゃよく泣かしたもんだわ。
それもただ、泣かせるだけじゃつまらないのよ。降参した相手をじわじわなぶるのが好きなのね、小さい時から変質者みたいな素質があったのかしら。
喧嘩の相手もなるべくかわいい男の子を選んだわ。
何か難癖をつけて、喧嘩の種をつくるの。
相手のプライドを大勢の前で叩き潰してやると、私が女だけにたいてい怒りで喧嘩に乗ってくるわ。
そんな時、そこではやらないで、放課後学校の裏山で、一対一の勝負をしようと提案するの。
男の子は、引込みがっかなくなって、皆の手前虚勢を張ってOKするわ。
学校の裏山には、町の鎮守様があってね、そこから町全体が見渡せるいい場断なのよ。
その神杜の裏手の草っぱらで、私達は取っ組合いの喧嘩をするの。
負けないわ。大体の相手力具合いは判ってるし、私は喧嘩馴れしているから、相手が女だと思って加減している間に男の股間の物をカー杯蹴り上げてやるの。
男の子は前を抑えてうずくまりてしまう。
そうしたら、相手の腕をとって後ろに捻じ上げて抑えつける、ああ思い出しただけでも昴奮するわ。
男が私の膝下でひいひい言っているのを、委細構わずに懐から紐を出して、相手の手首を後ろで交差して縛ってしまうのよ。
弱い男は、この辺でもうめそめそ泣き出しているわ。
でも面白いのはこれからなのよ。

乳首責め

 手が使えなくなった男は、弘の捕虜みたいなものよ。
足だけで、まだ抵抗する奴もいるけど、私が足でそいつの顔を三、四回蹴とばしてやれば、抵抗をやめて涙声で許しを請うわね。
許してなんかやるもんですか。まず私は、相手を裸にすることから始めるの。
解剖ごっこという遊びがあったけど、あれみたいなものよ。
上着、肌着、ズボン、パンツと丸裸にしてやると、まだ毛も生えていない下腹部が見えてきて.オチンチンがうなだれているの。
可愛かったなあ。
相手をそんな惨めな恰好にしておいてから後手縛りの繩尻をとって、裏山を引き回してやるの。
引回しが終ったら、木の根っ子に紐の先をくくりつけて、動けないようにしちゃうの。
次になま白い肌を、つねりまくってやるとか、木の枝の鞭で、肌が赤く腫れ上る程叩いてやるとか、苛め方は色々あるものね。
でも私が一番好きなのは、乳首責め。
男の乳首なんて、あるかないか判らないほど小さいでしょう。
でもあそこは性感帯であると同時に凄く敏感な所なのよ。
弘の尖った爪で、男の乳首をぎゅっと挾んでやるの。
つねられても、叩かれても泣かなかった強情な男の子でも、これをやると目からボロボロ涙をしたたらせるわ。
「どう強情はってないで、あやまりな。永久に私の子分になりますって誓うのよ」
「……」
「口なきかないつもりね。ようし、お前の乳首の先を。私の爪でもぎとりてやる。段々痛くなるわよ」
「いたIい。おかあちゃーん」
「馬鹿、こんな所へおかあちゃんが来るかよ。私の子分になるか、どうだ」
「御免よう、許してよ。子分になるよう」
男なんて、もろいものね。大抵この乳首責めで、降参してしまい、泣いて私に駝びて、私の子分になることを誓わせられるの。
私、なんだかこんな話をしてるだけで、濡れて来ちゃった。
そうだ、濡れてくるっていえば、あの頃も男の子を苛めながら体が痺れるくらい昂奮したものだった。
それがね、私が昂奮するばかりでなく、苛められてる相手の男の子も、乳首責めをされると、涙流して痛がるくせに、坊やの坊やが勃起してくるのよ。
それがまた面白くて、やみつきになったのね。
裏山に夕闇が訪れる頃、私は完全に私の奴隷となった男の子を従えて、意気揚々と山を降りるの。


アスパラガス

 Kという男の子がいたわ。弱いくせに小生意気で、女の子に悪さばかりするので、皆の
鼻つまみ者になっていたの。
その悪さというのが悪質なのよ。通りすがりに、女の子の乳房をタッチしてゆくとかスカートめくりはしょっ中だし、いわば子供の痴漢ってとこね。
こんな時、女はいつも泣き寝入りでしょ。
私は許せないの。
こういう奴は、黙っているとニ度三度と同じ悪さをするわ。
私一人でもやっつけてやる、そう考えたのね。
Kを裏山へ呼び出すと、私の強いことを知らないKは、のこのことやって来たわ。
「今日はお前の悪い癖をこらしめてやるわ」
「女のくせに生意気な、お前のあそこも、砂で埋めてやるぞ」
今までのもやしっ子と違って、悪だけに少し手ごたえはあったわ。
はじめのうちは形勢不利で、危く私のほうが縛られそうになっちゃった。もし縛られたら、あそこに砂を入れられるのかと思ったら私も必死になって、Kの股間の物をぐいと握って、金輪際離さなかったの。
これにはさすがの彼も参ったらしくって、最後は私の軍門に降ったわ。
例によって後ろ手縛りにした上、裸にして引き回し、木にくくりつける所までは、これまでと同じ。
そのあとがちょっと違うの。
木の棒で叩いてやったり、乳首責めをした後で、彼のビンビンになったおチチンチンの根っこの所をゴム輪でぎりぎり縛ってやったの。
皮をかむってたけど、痴漢の卵だけあってアスパラガスみたいなのが充血して、固くなって突っ立っているさまは、ほんとに面白かったわ。
私にそうやっていじられるってことは、Kにとっても凄い快感があるらしくって、こいつ口惜しそうな顔どころか、涙もこぼさずにニヤニヤ笑っているのよ。
その時よ、私がこのアスパラガスをちょん切ってやろうと思ったのは……。
Kのやつが泣いたりロ惜しがったり、わめいたりしてたら、私もあんな事はしなかったと思うわ。
あいつのニヤついた顔を見ているうちに、猛然と怒りが込みあげてきちゃって、ポケットに入れてあったハサミを取り出すと、パチンと……。
あっという間もなかったわ。
それは本当にアスパラガスのように簡単に切れたのよ。
根っこをゴム輪で結んでいたので、血もそれ程出なかったし、感覚がしびれていて、痛みもたいしたことはなかったらしいの。
でも本人は驚いたわよ。
切った私もびっくりしちゃったもん。自分でびっくりしてれば世話ないけど。
そんなものよ犯罪なんて。
慌ててくっつけようと思ったけど、もうダメよ。
Kのやつは、火がついたようにわあわあ泣くし、私は縛ってあった繩をほどくと、一目散に家へ逃げて帰ったわ。
それが私の犯罪第一号でね。もちろん未青年だから罪にはならなかったけど、とんでもない非行少女として、警察に補導され、練監送りよ。
アスパラおまあって仇名がついちゃって、練監では結構幅がきいたもんよ。
おまあって私の名前よ。魔美っていうの。
そのKって男の子?
その後、人が変ったように真面目になってね。
教会に入って、今牧師をやってるって。
面白いじゃん、痴漢の卵が牧師よ。
私のおかげで更生したようなもんよ。


トルコの女王

 学校を出てからは、ウェイトレスをやったり、キャバレーに勤めたり、ピンクサロンで働いたり、そして最後はお定まりのトルコ風呂。
ここが一番よかったなあ。
トルコでも私にはどういうわけか、男の子分みたいな、奴隷みたいなのができてしまうのよ。
あれどうしてかしら?
大体トルコに来る客なんて、八十%はマゾだって何かの本に書いてあったけど、ほんとね。自分は寝たままで、女に自由に体をいじられて射精するなんて、M的だものね。
むろんマッサージなんかしてやらない。
じゃお客は何をするかっていうと、勝手に風呂に入って、自分で体を洗うわけよ。
私は煙草すって見てるわ。
それが終ったら風呂場の掃除ね、力を入れて洗わせるのよ。
怠けたりさぼったりしたら、用意しといた鞭でバシバシ叩いてやるの。
掃除が済んだら私が溜めといた下着類を洗濯させる。
こういうことを凄く喜んでやるんだマソ男達は。
全部終ったら御褒美に、タイルの上に仰向けに寝かせて、私のおしっこを顔にかけてやるの。
むろん飲む奴もいるし、シャワーみたいに顔に浴びただけで満足する奴もいるわ。
お金も他の客より余分に払って、土下座して御礼を言って帰るの。
その帰り際に出口の所で頬に一発、ビンタを喰らわしてやると後をひいて、必ずまたやってくるな。
トルコ嬢なら、誰でもこういう客を経験していると思うんだけど、私の場合はとくにそんなのが多いのよ。
奴隷にしてくれって、しつこいのが丁度六人いたもんだから曜日毎に分けてね。
月曜日の奴隷、火曜日の奴隷って指定して、掃除に来させる時間もこっちが決めてた。
だからあいつら、毎週一回判で捺したように正確に私の所へ通って来ていた。
私がトルコ風呂に嫌気がさして、やめてしまってもその連中だけは離れないのよ。
当時、私はアパート住いをしていたんだけど、そこへ集ってきて、相変らず掃除やら洗濯やらをしてくれていたわ。


奴隷誓約書

 私が本格的な別荘暮しを思いついたのは、あの山にこもって事件を起した赤軍派のことを、新聞やテレビで見たからよ。
なる程、冬の別荘は人がほとんどいないのだし、別荘族は金持ちだから、家具や什器類を盗んで売りとばせばいくらかになるだろうし、第一自分達が住んで生活するのにも、空き別荘がいくらでも利用できるわ。
しかしこれをやるためには、ある程度の人数が必要なのよ。
一人で山奥の別荘住いは、不便だし、寂しいし……。
そんなわけで、私は六人の奴隷共をひきつれて、山に入ろうと考えたわけ。
私が六人の豚共を呼び集めて、この提案をすると、皆すっかり乗気になっちゃって、私を女王にして、新しいマゾ天国を冬山の中へつくるんだって、大へんな気の入れようなのよ。
その時、皆がつくって私に差出した誓約書があるの。まだ覚えてるわ。
 一、   私達は魔美女王様のために、たとえ法律を犯してでも`命がけで働きます。
 一、私達は、魔美女王様の御命令には、絶対に服従します。万一これに違反した場合は殺されても異存はございません。
 一、私達は、全財産を魔美女王様に提供し、一円たりとも私有致しません。
 一、私達は、魔美女王様のために働いた労働の対価を、いっさい求めないことを誓います。
 一、私達は、魔美女王様による罰をすべて甘受します。
 一、私達奴隷は、女王様以外の女性と接することは致しません。
 一、私達は、女王様の意志による以外、この会を脱会することはできず、もし女王様の意志に反して脱会しようとした場合は、死罪に付されても異議を申しません。
というわけよ。
まあ奴隷契約書ってとこね。
子分共の名前はね、大政、小政、石松、馬雄、犬雄、豚雄っていうの、面白いでしょう。
私は清水次郎長みたいな女親分だから、子分の三人は、それらしい名前、あとの三人はそ
れぞれの性向を名前にしたのよ。
馬雄は人間馬になるのが好きで、私専用の馬よ。
犬雄は舌を特別に訓練して、私専用のクリニングス用ペットってとこね。
他の奴隷達だって、私の気分の向くままに馬にしたり犬にしたり、豚にしたりしたわ。
私は当時十八か十九になった頃、奴隷達は学生からサラリーマンまで色々よ。
年も十九から四十ぐらいまでいたかな。
そいつらを従えて、山に入った時は、国定忠治みたいな気分がしたものよ。
断りもなく他人の別荘に入って、女王きどりで暮らした半年間、楽しかったなあ。
まず最初の日は、全員にコップを持たせて集め、私のおしっこをそのコップに一杯づつ
入れてやったの。
誓いの盃ね。
親分子分の盃は、お酒よりも女親分のおしっこが最高よ。皆ひと息で呑みほしたわ。
血をすすりあうなんて古いわ。
子分共の体内に、私のおしっこがしみ渡ってゆくのを見ているのって、いい気持ち。


第一の犠牲者

 私は女王様だから別格だけど、全体の番頭格は大政ね。
この男二十七、八歳なんだけど腕っぷしが強くてね。
私には絶対服従だけど他の男達には、にらみがきくのよ。
それにどこで手に入れたのか、猟銃を持っていたから、押込み強盗やるんでも、銀行強盗やるんでも、彼がリーダーね。
私が一番可愛がっていたのは、犬雄よ。
こいつの舌技は抜群でね、今思い出しても体がとろけるようよ。
舌を細く丸めて伸ばすと、子宮の入口まで届くのよ。
あんたできる?
できると思ったらやってごらん。
それでシコシコやられると、男の物なんかどうでもいいと思っちゃうね。
だから私は、年中犬雄をペット犬の代わりに使ってたわけ
それが他の男達には面白くないのね。
私にはこわくて言えないものだから、かげで犬雄を苛めるのよ。
男のくせに、女のくさったみたいなことすると思わない。
それに犬雄って、若くて、郷ひろみのような可愛い男の子だったのよ。
だからよけいに憎まれたのね。
仕事のほうは、まあ順調にいっていたわ。
犬雄を残して、各自山を降りると、それぞれ万引き、かっぱらい、空巣、何でもやってお金をつくってくるわけよ。
その日の稼ぎが、一番多かった奴隷には、私の入浴の手伝いをさせたり、ついでに、私の女の部分を見ながらオナニーをするのを許してやるの。
これがやりたくて、みんな必死になって仕事するのよ。
時には舐めるのも許してやることがあるわ。
犬雄みたいにうまくないけど、これも褒美の一種だから……。
一番稼ぎの悪い奴は、柱に縛りつけて、革鞭で打ってやるの。
最初は私が打ってやってたんだけど、私だと喜んじゃって罰にならないんだなあ、とくに馬雄がそう。
鞭打ってる最中に、勃起してきて、射精するのよ。
こっちは腕が疲れるし、冗談じゃないわ。
それで後では、大政に打たせたの。
こいつは力が強いから参ってたみたい。
私は高見の見物よ。
石松や馬雄は、よく打たれてたなあ。
こういう風にすると、能率はあがるんだけど要領のいい奴とドヂな奴と、大体決まってしまうのね。
大政と犬雄はいつも私の側でかわいがられてるし、他の四人は、私の匂いも嗅がせて貰えないわけよ。
特にドヂの石松と馬雄は、鞭ばっかり貰って、欲求不満になってきたのよね。
二人が逃げる相談を始めたことは、薄々判っていたけれど、確証がないので黙って見ていたの。
大政に話して用心させておいたわ。
月の明るい寒い夜だったな、二人が逃げたの。
それも私の金を盗んだ上でよ。
逃げた二人を追って、大政達四人は一斉に行動を起したの。
猟銃を持っての山狩りね。
結局この馬鹿の二人は、四人の男達にとっ捕って、ぎりぎりに縛られた上、私の前へ引据えられたわ。
こういうのを苛めるのが好きなんだなあ、私は……。
泣いて詑びる二人を、私は許さずに、ニ人共裸にむいて、再び縄で厳重に縛りあげたわ。
「二人の尻に、焼ゴテで私のイェシャルのMという字を焼きつけてやんな」
私はソクソクして命令したわ。
丁座いい焼ゴテは無かったけど、鉄火箸を真赤に焼いて泣き叫ぶ石松と馬雄の尻に押しつけた時、人間の肉を焼くとステーキみたいな匂いがするんだなとびっくりしたことを覚えているわ。
そのあと私は、二人をまだ許さず、寒い戸外の木に縛りつけておいて反省を促すことにしたの。
まさかこれで死ぬとはねえ、私達もよく判っていなかったのよ。
朝起きて戸外へ出てみたら、石松と馬雄は冷たくなって死んでいたわ。
人間って意外と寒さに弱いんだね。
死んだものは、しょうがないじゃない。
私は奴隷達に命じて山の林の中に大きな穴を掘らせて、その中へ二人の死体を横たえたの。私は供養のつもりで、二人の死骸に私の暖いおしっこをたっぷりとふりかけてやったわ。M派の彼らには、これが一番の死出の旅路へのプレゼントですものねえ。


鼻輪責め

 私は奴隷なんて、家畜以下にしか考えていないから、二匹の家畜が死んだくらいにしか
感じられなかったわ。
男達はショックだったらしくて、青い顔して黙りこんでいたなあ。
結局第一の事件が、第二の事件を引起してゆくんだけど、ショックを受けた小政と豚雄
とが組んで、また脱走を企てたわけよ。
これは台所で、二人が相談をしているのを犬雄が聞いてしまって、忠犬ハチ公よろしく御注進に及んだのね。
前の二人は実行段階で、今度の二人は計画段階で捕ったわけなんだけど、警察に密告さ
れる怖れがあったのよ。
二人を裸にして、手錠足錠をかけて正座させると、私が裁判官よろしく、前の椅子に腰
をかけたわ。
「お前達、一体どういう相談をしていたんだい?」
「申訳けありません、このままここにいると殺人罪で警察に捕まるんじやないか、それな
ら早く逃げようって……」
「私達の鉄の規律を破って、逃亡しようとした場合は死刑にされることを知っているね」
「許して下さい、もう二度と致しません」
二人は正直になって平伏懇願しているの。
時折り大政の鞭が、ビューン、ピシャッと二人の背中を打つ音が混じるのね。
「私達の規律を破った者を、許すわけにはいかないわ」
私は表面冷たくいい放ったけど、内面からこみ上げてくるドロドロしたものが、体中を駈けめぐって、自分で自分がよく判らなくなっていたみたい。
きっと顔が真青で、眼が爛々と燃えさかっていたでしょうね。
「犬雄、お前こいつらの鼻に、牛みたいに鼻輪をつけてやりな」
「鼻輪?」
「耳にするピアスみたいな穴を、鼻の中の鼻陵にあけてやるのさ。そこに真鍮の輪っかを通して鎖をつけるのよ。つまり逃げ出さないようにつないで置んだよ」
「判りました。きりで開けましょうか」
「いいだろう。耳のピアスだって、たいして痛くないんだから、心配することはないよ」
手術を命令された二人は青くなったわ。
「牛はみんな鼻輪をつけてるだろう。お前達奴隷は家畜以下なんだから、贅沢言わないで有難いと思いな」
鼻に穴をあけるのは、少し出血したくらいで、たいしたことはなかったわよ。
それに輪っかをつけて鎖の先端を私が握ると、二人の家畜はもう完全に生殺与奪の権を私に握られたみたいになって、シンとしていたわ。
ぐいと鎖をひっ張ってやると、まだ開いたばかりの穴が痛いらしくって、顔をしかめて私の後をついてくる有様の滑稽なこと。
その鼻輪の鎖の先端を天井の滑車に通して吊るすと、全裸の後ろ手錠のままの豚雄と小政は、肉屋の吊し肉のような形で、台所の一隅に立たされているの。
私はそんな二人のうなだれたペニスを、ぐぃっと握って下にひいてやったわ。
きっと鼻が千切れる程に痛いのね、悲鳴をあげた二人の眼尻から、涙が溢れてきて……。
十八、九の女の子に、翻弄されている中年男違の哀れっぽいこと、おかしくって私は逆の意味で涙が出たわ。
「このままの形で、一晩考えな。そしてゆっくり自己批判するんだね」
ピシーリ、ピシャ、おまけに革鞭で尻の皮が破れるほどひっぱたいてやった。
さすがにこの二人は家の中でのお仕置きだったから、死ななかったわ。
私はときおり看視に行って、鞭をあてたりペニスや乳首のあたりをひねりあげて、悲鳴をあげさせて楽しむの。
男を苛めるって、どうしてあんなに楽しいんだろう。
あれだけは、いくらやっても飽きるってことがないね。


人間狩り

 私達の泥棒集団が、警察に掴まったのは内部から密告した奴がいたからなのよ。
誰だと思う?
あの私が一番可愛がっていた犬雄なのよ。
人間って判らないものね。他の奴隷が皆仕事に精を出している時に、あの子だけは私のペットとして手許に置いて、可愛がってやったのに・・・・・・。
窃盗にも殺人にも彼は加わっていないので今の内なら罪が軽いだろうと考えたんでしょうね。
むろん警察は、躍起になって犯罪M集団を探し回っていたのよ。
私達が空き別荘から空き別荘へと逃げ歩いていたので所在不明だったのね。
犬雄が密告さえしなければ、まだ私達は逃げおうせたかも知れないわ。
ほんとに犬畜生にも劣る奴よ、犬雄って・・・。
そして警察にたれ込んだ後で、深夜こっそり豚雄と小政の二人の鼻輪鎖や、足錠をはずしてやって、三人で逃げ出したの。
それを知った私と大政は、すぐに猟銃を持って、山狩りを始めたわ。
何しろ殺しをやっているだけに、逃亡や密告は困るわけよ。
私達二人は、三人を追跡してドンドン走ったわ、私は胸が早鐘のように鳴るのよ。
見つけ次第撃ち殺すという大政の提案に、豚雄と小政は殺しても、犬雄はとりこにしろと女王命令を出しておいたわ。
犬雄の奴、奴隷の癖にこのままあっさり殺してなんかやるものか、捕えてじわじわと嬲り殺してやる。
そんな怒りに燃えてたのね。
まず私が豚雄を見つけたのは、夜が白々と明け始めた頃よ。
名前の通り豚のように太っていたので、他の二人とはぐれて、川のほとりで水を飲んでいたわ。
私は物影からそっと照準を合はせて、彼の心臓を狙ったの。
ズドン! 弾は彼の下腹部を貫いたらしく下半身を抑えたまま、うんうんうなっていたわ。このまま苦しみ続けるのは酷よ。
私は彼に近づくと、銃を彼の心臓に向けたの。
「許して下さい」
虫の息の中で、彼は私を拝んだわ。
「駄目ね、お前はひと足先へあの世へお行き。
私達が行く頃までに、住み良い天国にしとくんだよ」
パシッ! 止めの弾が彼の心臓を貫いて、豚男は死んだわ。
初めて直接手を下して、男を殺したけど、ゾクゾクする程の快感があったのは事実ね。
小政は、大政がどこかで処分してきたので残りは犬雄だけ。
かねて打合わせしておいたさらに山奥のかくれ家へ、犬雄を捕えて連行してきたのは、翌日の夕方の事だったわ。
私の前に引据えられたかつての私のペット犬雄は、真青になってガタガタふるえているの。
私は後ろ手縛りにされている犬雄の顎に手をかけて、ぐいと上を向かしてやる。
「私があんなに可愛がってやったのに。この恩知らず」
「許して下さい、女王様」
「サツに密告したり、罪人を逃がしたり、やってくれたわね」
「……」
恐怖におののく美少年は、もう言葉も出ないの。
「この鼻をそいでやろうか。それとも、この耳を切りでやろうかしら」
「ひえーっ!」
私はその感触を楽しむかのように、可愛らしい犬雄の鼻や耳をもてあそんだの。
「それとも。こいつをソーセージの輪切りみたいに切ってやろうかしら」
彼の股間のものは、恐ろしさに縮み上がっていたのを、私はむりやり引っぱり出して、こすり上げて大きくしてやったわ。
「やめて下さい。もう絶対にしませんから」
「遅いのよ。こうしている間にも、警察が私達のことを探しているわ。見つかる前に、お前に刑を執行しないと私の気がすまないの」
こういうことになると、女のほうが残酷になれるみたい。
大政のやつハラハラしながら私が思いつく残虐刑のやり方を軽くしようと躍起になってるのよ。
結局私も折れて、犬雄の眼を潰して、トイレの便壷の中へ突き落すことで妥協したわ。
ちょうど便器掃除用の塩酸があったから、目薬みたいにして、彼の目を焼き漬してやったの。
泣き叫ぶ犬雄を、便器をはずして、その真下の便壷の中ヘドボン。
そうしておいて、上から私がおしっこをジャーッとかけてやったの。
真暗な便壺の中で、あいつどんな気持ちで私のおしっこを浴びたことだろう。


大政の遺言

 いま想い出すと色んなことがあったなあ。結局私達は警察に発見されて、大政がナイフをふるって抵抗したけど、警察官の一人に軽い怪我をさせただけで捕ってしまったのよ。
五人もの男の殺人と死体遺棄だから、私もこれは死刑か無期になるんじゃないかと、覚
悟したわよ。
それが十年で済んだのは、大政が罪を一人でかぶってくれたからよ、まあこんなケースの時、たいてい男が主役で女は彼の情婦で脇役ってのがきまりでしょう。
その直後、大政は拘置所の中で、首吊り自殺をしてしまったわ。
あの時だけはさすがに私もショックだったな。
彼の遺書みたいなもの、後で見せて貰ったけどこんな意味のことが書いてあったわ。
「裁判長殿、検事殿
 私は今、自らの命を断って私が犯した罪の償いをしようと思っております。そこで死ぬ前に、真実を述べておこうと思うのです。今回のことは、かねて申上げておりますように私一人が計画し、実行したことであり、魔美様には全く責任のないことを重ねて理解して頂きたいのです。
 私達六人は、魔美様の熱烈な崇拝者であり彼女のために、いつでも死のうと思っている人間の集りでありました。最初は何とか協同生活が維持できたのですが、。そのうちに私の嫉妬心から他の男達が邪魔になり出したのです。独占欲というのでしょうか。私は、私だけの魔美様であってほしかったのです。
 私は三人を殺しましたが、これは全く私の嫉妬心、独占慾から出たものであり、魔美様にはいっさい関りのないことであります。どうぞ彼女を無罪にして釈放して頂きたいのです。
 ただ。これだけは言っておきたいのです。私達の一人一人は、魔美様の為に死ぬことに本当の喜びを感じていたと云うことです。いま私も、喜びにふるえながら死につこうとしております。私は恍惚として死につこうと思います。一人の男性が、一人の女性のために総てを捧げて死ぬという、これほど素晴しいことが人生にまたとあるでしょうか。
 魔美様、それではお元気で。いつまでもおすこやかに、お美しく……。さようなら」
そんな遺書だったわ。男なんてみんな単純でかわいいもんね。
 秋の陽はつるべ落しとか………ここ女子刑務所の面会室も、いつしか夕闇が忍び寄ってきていた。
そろそろ面会時間も無くなろうとしている。
可愛らしい顔をしたこの美人の、どこにそんな残酷さが秘められているのか、と不思議に思われてならなかった。
男の魂吸い込んでしまうような妖しい光をたたえた女の目に別れを告げて、私は脱穀のようになった自分を感じながら、重い足どりで帰途についた。
私もあの人のために死にたいと思いながら・・・・・・。

優しい強姦者

  • 2013/12/09(月) 18:00:23

優しい強姦者
      北林 一登 

   
      強盗事件
            
「ママさん、強盗に襲われたって?」
「そうなのよ、よく知ってるわね。だれに聞いたの?」
「いえ、女王様のことは、何でも知っていなければならないのが、奴隷の役目です」
「秘密にしといたのに、困っちゃうな。だれが喋ったんだろう」
「強姦もされてしまったの?」
「だんだん話に尾ひれがついて、噂が大きくなってゅくので困ってるのよ」
「何だか、縛られたまま、明け方までに三回もやられてしまったとか。三回目は、ママの方も気分が良くなり、楽しんでしまったとか……」
「やだ、あんた強盗の親戚じゃないの。変な噂が拡まると困るから、本当の話をしてあげるわよ」
ここは池袋にある、その道ではちょっと知られたSMバーてある。
「ナオミ」というバーの名前は、同時にママの名前であるし、彼女が谷崎潤一郎の「痴人の愛」のヒロインからとった源氏名でもある。
日木人離れのした、彫りの深い顔立ち、抜群のプロポーション、何よりも盛り上がるようなバストがたまらない。
それで時折り、客を相手にSMプレイをしてくれることがM派紳士にとっては、たまらない魅力なのだ。
もっとも、バーの中でプレイをすることはないし、店の中では言葉遣いなども普通である。
ところがいったんSMプレイをしに、ホテルにでも入ろうものなら、凜然たる女王になる。
男は素裸にされたうえ、ギリギリに縛られ、舌の先だけで女王様への全身的奉仕を強いられる。
ママは洋服の時も、和服の時もあるがもあるが、裸には滅多にならない。
ただちらっとスカートを捲ったり、着物の裾をめくって、男に秘部を拝ませてくれるだけだ。
男の舌の奉仕に熱が入っていなかったり、ふざけたりすると、物凄い平手打ちが飛んでくるし、細い革鞭で尻が真っ赤に腫れ上がるほどぶちのめされてしまう。
ママの気分が向けば、ネクタールの拝受をさせてくれる時もあり、くれない時もある。何しろ徹底的にこのプレイは、女王様の気分次第であるし、どんなにお金を積んでも、ママのお情だけが欲しくって、このバーにせっせと通っているM派紳士の数は多い。
もちろん私もその一人なのだが、僥倖に会えることは滅多にない。
そのママが、強盗に襲われたというのである。
これは聞き捨てならぬ話ではないか いるM派紳士の数は多い。
もちろん私もその一人なのだが、僥倖に会えることは滅多にない。
そのママが、強盗に襲われたというのである。
これは聞き捨てならぬ話ではないかその夜は、雨が降ってたのよ。
お客さんもわりとあったんだけど、遅くまでねばる人がいてね。
お店を閉めたのが午前二時頃だったかな。
女の子は、十二時過ぎには帰すでしょう。
いつもなら、バーテンさんが最後までいて、お店を閉めて帰るんだけど、その夜は用事があるって先に帰ったのよ。
それが一時半頃だったかしら。
最後に残ったお客さんに私がお勘定をして貰ったのが午前二時かな。
私一人になってしまったけど、今までにもこんなことよくあったから、売上げ金をハンドバッグに入れて、後片付けして、店を出たわけ。
ここはビルの地下二階でしょう。店のドアを開けて、自分の体を出して、外側からドア
鍵をかけようとしていたの。
その時よ、物蔭にかくれていた男が、ワッと出てきて、私を後ろから羽交い締めにしたわけ。
びっくりしちゃってねえ。
私、その時売上金を三十万円ぐらい持っていたかな。
強盗だと思って、キャーッとか何とか叫んだと思うわ。
ところがビルの地下二階でしょう、午前二時過ぎじゃ、だれもいないのよ。
こういう時どうしたらいいか、私は落ちつけ落ちつけって、自分にいい聞かせて、相手を見たのよ。
そしたら何と、先刻までうちの店で飲んでたお客の一人じゃないの。
小川っていう男。本名だがどうか知らないけど、だから、
「小川さん。ふざけないでお家へ帰りましょうね、そこまで送ってゆくから………」
相子を落ちつかせようと思って必死で囁いたの。
ところが彼ったら、顔面蒼自で、目は真っ赤、とても普通じゃないのね。
この小川って客、私よく知らないのよ。
うちの店も二度目ぐらいだし、私とSMプレイをしたいなんていった事あるけど。
私の好みじゃなかったから、返事もしなかったの。
その小川がハアハア荒い息をして、目は吊り上がっているし、羽交締めの力は強いし、私は動きがとれないのよ。
私、必死にもがいたわよ。和服着てたんだけど、前ははだけちゃうし、抽は千切れるし惨憺たるありさま。
その時、まだ私は彼が何をしようとしているのか判らなかった。
お金が目的なのか、強姦が目的なのか。
ふざけているのではなさそうなのは、顔つきや目つきで判ったけど。
「やめてえ、だれか来てえ−!」
私は大声で何度かそう叫んだわ。
でも、無駄だったわ。
男はやがて、私の和服の帯の上にしている紐をはずし、両手を後ろへ交差したままぎっちりと縛ってしまったの。
そのあと私がしめかかっていたドアの鍵をとって、ドアを開けると私を突き飛ばすようにして店の中へ押し入って来たの。
彼がドアを後ろ手でしめるとここはもう全くの密室でしょう。
泣いたって、叫んだって、もう外には絶対に聞こえないのよ。
ドンと突き倒されて、この絨毯の上に転がされたわ。
男はやっと落ちついた顔をして、それでも目だけは獣のように光らせて、私のほうにやってくるじゃない。
「小川さん、乱暴は止めて頂敵。もう遅いから、帰りましょう、ね、ね」
私も必死よ。手が使えないから、何とか口先だけで相手を説得しようと一生懸命。
ところがひどいじゃない。
あいつカウンターの上にあったおしぼりをとって、ぐいっと私の口の中へ詰めこむのよ。そうしておいて、手拭いでガッチリと猿ぐつわをかまされたわ。
もう声も出せないのよ。手は物凄く強く縛ってあるから、痛くってね。
これからどうされるのかって、あの時は不安な気持ちだったわ。
バックの中には、現金で三十万円ほど入ってるでしょう。
それも気なったけど、男がもしかすると、顔見知りだけに犯行をくらますため、私を殺すんじゃないかって不安もあったわね。

     剃 毛
            
 男の荒い息が静まってくると、あいつニヤニヤ笑いながら近づいて来たわ。そして私の帯をゆっくりと解き始めたのよ。口惜しいったらないの。
何だか楽しんでるみたいに、ゆっくりゆっくり帯を解いて、着物を脱がせ、また紐をほどいて襦袢を脱がすって具合に、私は裸にされていったのよ。
まるでらっきょうの皮をむくみたいなものね。
その紐で足までぎっちりと縛られてしまったわ。
私、和服の時は、下着をはかないのよね。
だから最後のお腰をするするって脱がされたら、もうすっぽんぼん。
おっぱいから、下まで、全部九見えでしょう。
情けなかったなあ。
両足をまとめて縛られたのは、その後よ。
男は私の体を上向きにすると。ゆっくりと手の平で、全身を撫で始めるのよ。
その目付きの異様なこと、私、変質者の目付きって、あんなものだと思うりわ。
冷たくって少し笑いを含んでいて、残酷そうで……。
このままナイフかなんかで、ズブリとやられたらどうしよう。
こうなると、私の考えは悪いほうへ悪いほうへといっちゃうのね。
だから。相手を怒らせて逆上されることが一番、怖かったわね。
男を怒らせないためには、セックスに応じてやること。
手も口も使えないんだし、抵抗できないんだから、残る乳房やセックスで、相子をせいぜい誘い込んでなごやかな気持ちにさせてやること、そう思ったわよ。
両手両足を縛られて上を向かされたから、私も度胸をきめて、相手の手が乳房なんかもみ始めたら、少し身をよじったりして、気分を出しているように見せかけたのよ。
男のやることって、どんな場合でも皆同じね。
あいつ私の乳首にむしゃぶりついて、チュウチュウ吸われたわ。
凄い力入れて吸うから、乳首が千切れるんじゃないかと思うほど痛かった。
それが終わると、あいつの指が下のほうへ降りて来たわ。
これも口惜しいけど。全然無抵抗で侵入を許してしまったわよ。
初めのうちは、せめて股に力を入れて足を閉じていたんだけど、あいつが怖い顔をしたからすぐ開いたわ。
でも両足をくくられているから大開きにはできないわよ。
それでも指は自由自在に動き回るわけ。
乳首の吸い方から見て、乱暴にするんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、わりとおだやかに、優しく扱ってくれたわね。
でも女の体って不思謎ね。
いやだと思っても体が反応しちゃう。二十分位いじられていたら、べとべとになってたわよ。
そのうち、あいつはやおら立ち上がってトイレに行ったのよ。
そして石鹸と水とかみそりを持って来たわ。
ああ、剃毛だなって、それを見た時にすぐ判ったけど、もうどうしようもないわ。
私はただ傷をつけられないように祈るだけよ。
男はゆっくりと石鹸を水に溶いて、私のお腹になすりつけ、ニタニタしながらかみそりを使い始めたの。
ジョリッ、ジョリッて音が深夜のビルの地下窒に響くのよ。
ああ、私の毛が剃られてゆくって、ちょっと感傷的な気分になったわね。
男は全部剃り終わると私のヘアーを大事そうにハンカチに包んでポケットに入れたわ。
それを見た時、ああこれなら私は助かると思ったの。

   
    復讐の序曲
                
 これからあとは、あまりしゃべりたくないんだけど、あいつ、綺麗に剃毛した私の体を撫でているうちに、たまらなくなったのか、いきなりそこへ唇をつけてきたの。
十分ぐらいそんないたずらをしていたかしら。
また我慢できなくなって、今度はいよいよ本番、彼もズボンを脱ぐなり、武者ぶりついてきたのよ。
ああ。万事休す!思わずくやしくって涙が出たわよ。
ところがこの男、激しいというか、しつこいというか、一回ぐらいじゃ、とても満足しないのね。
縛られて自由のきかない私の体を、まるで玩具みたいに、折ったり畳んだりして、なんと三回も自由にする始末……。
女の体って不不思よね。こんな状態でも感じてきちゃうの。
三同めのときは、私もヤケになって、つい体を悶えさせ、鼻声を出しちゃったわ。
あいつも、さすがにぐったりしていたみたい。
短時間のうちに三回もやったんだから、疲れるわよ。
おしぼりで後始末すると、やおら立ち上がって、私のバッグからお金を技き出し白分のポケットに突っ込んで帰り仕度を始めたの。
あたしそれを見ていたら急に腹が立ってきて、何とかあの金を取り返す方法はないかと焦りながら考えたわ。
あいつは、私をふり返ると、
「ママ、楽しかったよ。こいつはママへのサービス代として貰ってゆくぜ」
「待ってよ。私はまだ満足してないわ。サービス代持ってゆくのなら、もういっぺん満足
させてよ」
「もう無理だよ」
「大丈夫、私がおしゃぶりしてあげるから、ね」
私は精いっぱい甘えた声を出して、あいつの気を引いてみせたのよ。
「おしゃぶりか、悪くないな」
一度帰りかけたあいつは、荷物をカウンターに置いてまた戻って来たわ。
あいつはズボンとパンツを一蹐紡許へずりおろすと、ソファーに腰を下ろして両足を開き、その間に私をひざまづかせたのよ。
まったく、この格好、いつも女王様役の私が、男奴隷に奉仕させる時と同じスタイルだ
ものね。
屈辱的もいいところよ。でもこの際は仕方がないわ。
三十万円のために私だって必死だもの。
だから、慎重にそいつを口の中に含むと、ガブリと噛んでやったの。
”ギェーッ″とあいつ、すごい声を出して飛び上がったわ。
でも、こっちだって必死だからスッポンみたいに、金輪際離れるもんですか。
「離せ!」とか「この野郎!」とか叫んでは私の背中を撲ったり、髪を引っぱったりするんだけど、絶対私が離さないものだから、弱っちゃったのよね。
最後には「頼むよ、離してくれよ。金は返すからさ」なんて泣きながら言ってるの。
私はそれでもまだロから離さずに、後ろ手 縛りの手首をふって、これをほどけって命令したのよ。
相手も判ったらしく、やっと手を自由にしてくれたわ。
私がロを離したときはあいつ、前を抑えて床にうずくまってたわ。
手が自由になれば、もうこっちのものだから、私はうずくまった男の腰やら足やらを蹴飛ばし、男の上に馬東りになってギュウギュウ男の首を締めてやったの。
不思議なものね、さっきまであんなに強気で元気よかった男が、いまはぜんぜん無抵抗なの。
私はSMプレイで使う手錠があるのを思い出して、それを持ってくると、男の手を捻り上げ、、後ろ手にガチャッとはめてやったの。
こうしておけば、金を持って逃げられる心配はないし、男に再び暴力を振るわれるおそれもないでしょう。
私、それまでは裸のままの奮闘よ。でもこれで、やっといつもの私に戻れたって感じで着物を着て、髪の乱れも直したわ。
一匹の男が、下半身を丸出しにして、後ろ手錠をかけられ、哀れな姿で私の足許に転が
っていたわ。
私の体をメチャメチャにもて遊び、あそこの毛を全部剃り落した男が……。
しかも私の虎の子三十万円を持ち逃げようとした男よ。
どうしてくれようか。私の体の奥のほうから沸々とした怒りが込みあげてきたわ。
すぐ一一〇番して警察に突き出してやろうか。
しかしそれでは、私の腹の虫が治まりそうにない……



     灸責め
         
 そこでまず剃毛には、剃毛をもって答えよで、鋏を持ってくると、あいつの頭髪をジョキジョキ切ってやったの。
男の陰毛なんか剃ったって面白くもないからね。
それから背中の手錠に縄を通して、天井の滑車から吊り上げたのよ。
このバーは、SMプレイ用の色々な設備がしてあるのが、こんな時には役に立つのよね。
あいつが爪先立ちの状態で止めてやり、むき出しの男の尻が、鞭打ちに丁度いい高さでふらふらするようにしたの。
鞭は、カウボーイの使う皮の太い一木鞭、これは痛いのよ。
こいつを使って、思いきり打ってやると、男の青白い尻の皮膚が真っ赤に染まってゆき
やがて血が吹き出してくるの。
「痛ーい。許してよ、ママ。助けてくれ」
恕鳴をあげて本当に涙をこぼしてる。
「何よ、三回も私をおもちゃにして、畜生!女王様の怖ろしさを思い知らせてやる」
「ほんのいたずらなんです。出来心でした」
「いたずらで剃られたり、強姦されたりしてたまるかい。バカ!」
でもその時、驚くべきことを発見しだの。
あいつのペニスが勃起してんのよ。私の歯型がついていて、血が滲んでいるようなそれが
この猛烈な鞭打ちで立っているなんて、どう思う。
こいつやっぱりMなんだろうかって、不思議な気がしたわ。
普通Mの男って、女王様を強姦するなんてことは、絶対にしないものなの。この男、き
っとMとSの両棲類だったわけね。
一休みして、煙草を一服つける。目の前では、男がヒイヒイ泣いている。それを見ながら吸う一服、最高の味ね。
まあプしイなら、こんなところで許してやるんだけど。
この場合は復讐だからね。
第一、これ程痛めっけてやっても、まだピンピンしてる男のアソコが愉らしいわ。
私は日の前にある肉棒に、煙草の火をぐいっと押しつけてやったの。
「あつう、あついよう」
「熱くしてるんだもの、当たり前よ。この坊やいたずらがひどいから、お灸を据えてやるのよ」
「許して、ママ、あつい、ギェーツ」
「何よ。男のくせに、これくらい……」
私は煙草の火で、ペニスのあちこちに焼こげをつけてやったわ。
人肉の焼ける匂いって、ステーキの匂いと同じなのね。
あれやってるとお腹がすいてくるほど。
さすがにこの灸責めで、ピンピン小憎も参ったらしく、小さくなっていった。
「火責めの後は、水責めよ。こっちへおいでたっぷり嬲ってあげるから」
滑車から縄をはずしてやると、ふらつく男の縄尻をとって、トイレへ連れていってやっ
たの。
そのままトイレの便器の中へ首を突っ込ませると私の足であいつの頭をぐいっと抑えておいて、水洗いの水をジャーツと流してやったの。
十回ぐらいそうして水責めにしてから洗面所のタイルの上に転がしてやったら、火責め水責めの連続で、あいつ、まったくグロッキーだったわ。
上向いて口をパクパクしているの。金魚が死にかかってくると、水面に出て来てよくや
るでしよ、あれみたい。
私はここで最後の復讐をしようと、着物の裾を捲りあげて、あいつの顔の上にまたがっ
たわ。
「さア、お前が犯した場所だよ。よく拝んでおきな。これからさっきのお返しに私のおし
っこを飲ましてやるから、一滴もこぼさずにお飲み」
あいつ、かすかにうなずいて、ロを火きく開けて待つてるの。
私はそのロめがけて一メートルぐらいの距離から、シャーッ。
プレイの時なら、相手が飲みやすいように何回かにわけて発射するんだけど、そんなのはあいつに必要がないから、一潟千里よ。
あいつ、ごぼごぼとむせながら、それでも必死に私のおしっこを飲みほしていたわ。
離れた所から発射したもんだから、あいつの鼻の穴やら眼やら耳やらへも入ったらしくって顔中びしよ濡れ。
「さあ、これでもう許してやる。本当なら警察へ引き渡し渡してやるところなんだけど。強姦なんて私のほうも格奸が悪いから帰してやるわ。二度とこんな事をしたら、お前のペニスをちょん切ってやるからね」
「ママ、御免なさい。許してくれて有難う」
私はあいつの手錠をはずすと、脱いであったズボンやパンツを叩きつけて、ドアから表へ蹴り出してやったの。
と、まあこれが強盗事件の真相なのよ。
でもこれに、後日談があるの。


     奴隷文
          
 あれやり一週間程した頃かしら、私の店宛に一通の封書が届いたの。
その中には十万円のお金と、次のようた手紙が入っていたわ。
「ナオミママ様
私は先日、貴女様にたいへん御無礼を働きました強盗でございます。いや強盗は未遂でしたから、強姦男と言うべきかも知れません。その折りは本当にひどい事を致しまして申訳ございません。深くお詫び致します。あの夜、貴女様から物凄いお灸を据えられまして、毎日毎夜その痛みに呻吟しておりましたが、私の火傷も少し治りかけてきたようで、ホッっとしております。
もちろんこれらのことは、私の自業自得ありますので、貴女様をお怨みに思った事な
ぞ露ほどもございません。それよりも最後にお恵み頂きました貴女様のおしっこを合めまして有難いことだと感謝している次第なのです。
実は今度のことは、私が計画的に起こしたことなのです。それもチオミ様に苛められた
いばっかりにです。私は初めて貴女様にお目にかかった時、つ まり第一回目にお店に伺った時に、これほど美しい女王様がこの世におられたなんて、信じられないくらいに驚きました。そこで是非プレイをお願いしようと思ったのですが、聞くところによると貴女様はプライドが高く、決してお金ではプレイをして下さらないとか……。女王様のお気の向いたとき、自分のえらんだ客だけを相手になさるのだとか……。でも私は、欲しいものはすぐ手に入れないと気が済まないのです。何とかママにプレイをして頂くことはできないものだろうか、色々と考えました。お金で駄目なら、本当にママを私は綿密な計画をたてました。バーテン氏の早く帰る日があることも判りました。お店のカンバンの時刻、そしてママが最後に一人になることも…・…
あの夜は、下準備のつもりで行ったのですが、バーテン氏が急用で早帰りをした事から計画を急に早めて実行してしまうたのです。雨が降っていたことも、おあつらえ向きで
した。むろん私も、今までこんな事をしたことはありませんので、初めての犯罪というか、もう胸はドキドキ、きっと顔面蒼白になっていたことと思います。
貴女様に襲いかかってからのことは、もう御存知の通りです。後ろ手に縛りあげてからナオミ様の着物をはいでゆくときの楽しかったこと。美しい白い女体が、卵のからをむいて白味が出てくるように、着物の中からまろび出てきた時には、もうこれで死刑になって
も本望だとさえ思いました。美しい二つの乳房。その先端の赤いぐみの実のような乳首。私はどんなにいとほしく、これらに頬ずりしたことでしょう。男をまったく知らないような美しい肌を、私は心ゆくまで堪能させて頂きました。いま手紙を書いているこの机の上に、貴女様のヘアーが一束置いてあります。あの時の毛です。私も自らの社会的地位などすべてをこの一事に賭けたわけですから、このくらいの報酬はあっていいと思い、予定していたことでした。それにしても、この見事な繁りはどうでしょうか。黒々とした烏の濡れ羽色といったつややかさ。ああ、こんなすばらしいおみやげを強制的に頂いてしまった悪い私。この毛だけは私の終生の宝物と致します。桐の箱におさめ、日夜礼拝し唇づけして貴女様のことを偲ぶよすがと致します。この毛を見るたびに、きっとあの童女のようにすべすべとしたナオミ様のあの部分を思い出すことでしょう。その後の鞭打ちの強烈だったこと、私もプレイによる鞭打ちは、随分と経験がありますが、貴女様の鞭ほど痛烈なものは他に知りません。でも素敵でした。美しい女性に鞭打たれる快感。これだけは知る人ぞ知るで、俗人共の窺い知れない私達だけの、快楽の花園なのです。煙草の火による灸責めもきつかったです。今でも火傷の跡が、火ぶくれのようになっていて、今後セックスに使用できるかどうか心配です。でもかまいません。たとえこれによってインポテンyツになっても、私はナオミ様を頂いて、そのお返しとしてインポにさせられたと考えれば、すべて納得旧がいきます。水責めも良かったけれど、最後の貴女様のおしっこ。まさかこの憎悪べき犯罪者の私に女王様の御聖水を下賜して頂けるなんて、夢にも思っていませんでしたので、大感激でした。私が剃りあげた青々とした丘と、ピンクの花びらの奥から迸り出てくる水流。この一瞬を、どれほど望んだことでしょう。
このため命をかけようと思ったのです。もう警察に突き出されてもいい、刑務所にぶちこまれてもいい、思い残すことは一切ない、とあの時思いました。
ああ、それなのに、お優しい女王様は私をお許し下さいました。当然強盗として、警察に突き出されるべき私を、放免して下さったのです。有難うございました。心からお礼申し上げます。私の命は、もうすべて貴女様のものでございます。今後とも、この哀れな奴隷をどうぞお見捨て下さいませんように、伏してお願い申し上げます。
             哀れな奴隷より
 ナオミ女王様         
「これが事件の真相なのよ。北さんどう思うこの件について」
「いや驚きですね。強盗、実はM男のお芝居だったんですか」
「そうらしいわね。私も鞭で叩いてる時に、ビンビンしてきたからピンときたけどね。でもまさかと思ったわよ」
「何とも羨しい話だな、ママとプレイが出来るなんて。よし、僕も強盗犯人になって、マ
マを縛りあげてやるかな」
「何いってんの。。バカねぇ……」

泣けべそ奴隷改変版

  • 2013/12/04(水) 00:22:26

本格M派ノベル 泣きべそ奴隷改変版
北林 一登
飲尿ラプソディ:さとしの顔の上で巨臀がうねる。溢れ出る甘美な液体、美声の秘密はどうやらこの女体ビールにあるらしい

娶る条件
シンガーソングライターの、山田さとしはホモではないかと間違えられるくらいの、優男だった。
声は独得の甘いテノールで、不思議な魅力があり、若い女性ファンを魅きつけていた。
白いメタルフレームの眼鏡をかけて、ギターをかかえ、ソフトに語りかけるように歌い出すと、女性はうっとりと聞き惚れ、知らぬ間に彼女らの花弁が濡れてくるといわれるのも、いちがいにレコード会社の宣伝だけではなさそうである。
しかし、彼には妻があった。
レコード会社の営業政策上、絶対に独身ということになっているので、世間に公表できなかったが、元バーのホステスをしていた貴美江という女性と同棲しているのだった。
もつとも、昼夜、一緒に暮らしているのではなく、同じマンションの中に二室を借り、一室に山田が、他の一室に貴美江が住んでいた。
そして夜になると、山田が貴美江の部屋へこっそり忍んで行く。
十月初めの午後、さとしは仕事で出かけていた、軽井沢から帰ってきた。自分の部屋に荷物を置き、室内着に着替えると貴美江の部屋を訪れた。
「さとし、いつ帰ってきたの?」
彼女はべッドの上に、だらしなく寝ころんだままだった。
「やあ、ただいま。貴美ちゃん、さびしかった?」
「そりゃさびしいわよ。一人ぼっちだもの。退屈で死にそうだったわ」
「ごめんごめん、すまなかったね」
例の甘ったるいテノールの声で、囁くようにいうと、彼は貴美江の白い足をさもいとおしそうに抱き寄せ、唇をつけてやさしく舐めてやった。
「ウフン、くすぐったい。そんなことより早く御飯の仕度をしてよ。私はこの二日間、ろくなものを食べていないんだから」
貴美江は、うんざりといった調子でさとしの顔をその白い足でポンと蹴とばすと、ついでに手を伸ばして彼の頬をピシャリとひっぱたいた。
「いま、つくりますよ。わかってますよ。貴美ちゃんはお腹がすくと御機嫌が悪くなるんだから」
それでも彼は嬉しそうに、いそいそとキッチンに立って食事の仕度をはじめた。馴れた手つきである。
貴美江は美貌だった。松坂慶子にそっくりだと他人に言われるだけあって、そこいらのホステス連中とは比較にならないぐらいに美しい。
山田さとしが口説きにロ説き、土下座までして彼女の愛を得たとは、二人を知る人達の話題となったものだ。
その時、貴美江が出した条件というのが変わっている。
一、彼女より先に寝てはいけない
二、彼女より後に起きてはいけない
三、食事の仕度は、彼が上手につくる
四、いつも清潔でいる
五、小うるさいことは、いっさいいわない
六、つまらない嫉妬をするな
七、彼女の浮気は覚悟をしておけ
八、彼は絶対に浮気をしてはならぬ
九、彼女を家だと思って大切にせよ
 ずいぶん虫のいい条件だと思ったが、美人を妻にするためにはこのぐらいの苦労をせねばなるまいと、さとしはこれを全面的に受け入れて彼女との同棲に入ったのだった。


   拷問の硬
        
「あら、あんた、今夜は少し元気がないみたい?」
「そんなことはないはずだけど……」
「いつもより柔らかいわよ。私の体の中の感じだから、すぐわかるのよ。さては、浮気したな」
「とんでもない、旅から帰ったばかりだから疲れてるんですよ」
「疲れてる?変だわ。この柔らかさは。射精後二時間以内のものだね。経験でわかるよ、白状しな」
「困つたな。ウソじゃありません。ほんとに疲れてるだけですよ」
「私を欺そうったって駄目よ。それ見ろ、身に覚えがあるものだから、うしろめたくて縮み上がっているわ」
自分の体から引き抜かせた一物を、貴美江は汚ないものでも持ちよげるように、指でつまんで引っ張った。
「信じて下さいよ。私にとっては貴美ちゃんだけが女性なんです」
「まだそんなことをいってるな。よし、拷問して、白状させてる。素裸になって手をうしろに回しな」
「勘弁してよ、ホントに浮気なんかしてないんだから……」
「お前。私と一緒になる時、なんて言った?奴隷になります。女王様としておつかえしますって誓ったじゃないか」
「覚えてますよ、その通りしております」
しゃべっているうちに、貴美江の手は素早く動いて、彼を後ろ手に縛りあげ、繩尻を鴨居に通してぐいぐい引き上げてしまう。
つま先立ちに吊られたさとるの前に近づくと、彼女は伸びた爪で、彼の乳首を強くひねりあげた。
「痛い! 痛いですよ」
「当たり前よ、痛くしてるんだもの。だんだんひどくなるよ、早く白状したほうが身のためよ」
貴美江はこんな演技をしていると、いつも体がゾクゾクしてくる。遊びにやっていたSMプレイが、これほど楽しいものだとは思わなかった。
先天的に自分にはSの気があったのかも知れないと思う。何しろ男を苛めているだけで体の芯のほうがねっとり濡れてくるのだ。
「今日は、まず淀腸してから、鞭を使ってやろう」
「アア、許して下さい」
「何よ、体はこんなに喜んでいるくせに」
浣腸とか鞭とかいう言葉を聞くと、さとしの男性はそれだけで、条件反射よろしくビンンたかぶってくる。
「千ccほど、入れてやるわ。さア。お尻をあげな」
「ヒーイッ」
責め道具はすべて揃っていた。手錠でも鞭でも浣腸器でもすべてさとしが買ってきたものだ。
グリセリンをお湯にといて、淀腸器に入れると、太い嘴昿をズブリと彼の肛門に突っ立ててやる。
「グェツ」
「ほらほら、気持ちいいだろう、気特ちいいってお言い!」
「はい、気持ちいいです」
事実、体内に入れたばかりの時は、なまぬるいお湯も気持ちのいいものである。しかし五分も立つともういけない。
腸はグルグル鳴り、下腹が痛くなって耐えられなくなる。
「ああ、もうだめです」
「コケシ人形で、栓をしといてやるよ。これなら大丈夫だろ」
やや細目のコケシ人形、これも大人のオモチャ屋で彼が買ってきたものだ。それをまるでコルクの栓のように、さとしのヒップにスッポリと挿入してしまう。
「さあ、これからゆっくり責めてやる。鞭は何発欲しい」
「五発ぐらいで結構です」
「何、五十発?遠慮したわね。ようし、行くわよ」
ビシーッ!ピシリ!ピシャリッ!
さとしの尻は、みろみるうちに赤く腫れ上がり、みみず腫れの線が縦横に走った。
「ヒーッ、痛い!」
「さあ、お言い。軽井沢に行ってる間に、何回浮気したの」
「浮気はしません……ただ……」
「ただ、何だい。はっきりいわないか」
ビシーッ!
「いいます、トルコ風呂ヘー回行っただけですよ」
「いよいよ白状したな。軽井沢にトルコ風呂があるのか?」
「いえ、帰る途中の深谷にあるトルコです」
「不潔な男、やっぱり二時間以内に射精してるって本当だったろう」
「嘘いってすみません。もう限界です。トイレへ行かして下さい」
「バカッ、今度はトルコへ行ったお仕化置きだよ。鞭五十発追加!」
「うヘーっ!」


  ジャングルの虎

 貴美江は、山田さとしと同棲関係にはあるものの、それほど彼を愛してはいなかった。
ただシンガーソングライターとして、テレビなどで有名な男である点が気に入って、つき
合いはじめたのである。
彼女は大体が有名人好きだった。歌手、俳優、政治家、小説家、とにかく有名人であれば交際してみたいのだ。銀座のバーでも彼女は目立つほうだったから、相手に不自由はなくいままでに五指を屈する男達が、彼女の餌食になりている。いや貴美江のほうが餌食にされたのかも知れない。 
けれども、山田さとしの場合だけは、ちょっと違っていた。
ほかの男のように遊びではなく、彼は献身的に貴美江につくし、結婚を求めてやまなかった。
ホステスにとって、結婚という餌は魅力だし.まして相手は歌手の有名人である。
少しやさし過ぎるのが気になったが、暴力亭主よりはましだろうとも思った。彼女の本音は力強く、自分を引っぱっていってくれる型の男性に憧れていたのだが……。
こうして二人は深い関係に入ったのだが、初めて彼とベッドを共にした夜、さとしから意外なことを打ち明けられた。
「貴美ちゃん。僕、恥すかしいんだけど、このままでは立たんのよ」
「あら.若いのに、あんた.インポなの?」
「違うんだ、貴美ちゃん、マゾつて知ってますか」
「知ってるわ、SとかMとかいうんでしよ。私は酒場勤めしてるから、耳学問でたいていのこと、おぼえちゃうのよ」
「僕、女の人に苛められないと燃えないんです。立たないんです。ここに縄や鞭があるから、これで苛めてくれませんか」
「いやだなあ、私。遊びでならしてやってもいいけど、結婚する相手がMだなんて、想像していなかったわ」
貴美江は、本当にイヤそうな顔をした。
「さあ、変なことをいわないで、一諸に寝ましょう。大丈夫、大きくなるわよ、私が必ず大きくしてあげる」
しぶしぶベッドに入ってきたさとしを、彼女は指や唇、舌などさまざまなテクニックを使って刺激してやったが、それはピクリともせず、ジャングルの中にひそむ子描のようなおとなしさだった.
「だめねえ、ほんとにあんたって、苛めないとだめなの?」
「すみません、フェラチオなんかして頂くとかえって萎縮してしまうんです」
「じゃ、勝手におし、私、もう疲れたわ」
後ろに引っくりかえると、ベッドに寝そべった貴美江の足を、さとしはさも尊いものでも扱うように両手でささげ.足指の一本一本を舐めはじめた.
「馬鹿!くすぐったいじゃないか」
バシッ!と彼の顔を足で蹴とばすと、さとしはもんどり打って、ベッドから床の上に
ころげ落ちた。
ひき蛙が潰れたようになったぶざまな男を見て、彼女は腹立ちまぎれにその上へ乗り、両足でぐいぐい踏みつけてやった。
顔も、胸も、腹も・…:そのとき、さとしの下腹部に縮んでいた男性が、異常な速度で膨張を開始したのを、彼女の眼が捕えた。
「ぐえっ!痛い痛い、貴美ちゃん、……許して!」
さとしの悲鳴とは反対に、それはあたかもジャングルの中からヌッと現われた虎そっくり、頭をピンと持ち上げ、たくましくかがやいていた。


   浮 気 妻

 さとしが、ホステスの貴美江と結婚したいと言い出したことは、彼の実家とプロダクションとをひどく驚かせた。
山田家では親族会議を開いて、この結婚に反対を表明した。代々堅い家庭で、そもそも息子が芸能界へ入ったのさえ気にいらないのに、今度は水商売の女との結婚である。
プロダクションとしても。せっかく売れはじめた人気に傷がつくという理由で反対した。せめて同棲の範囲にとどめ、結婚という形態はとらないで欲しいと要望した。
当の貴美江も、さとしの性癖を考えると、結婚に二の足を踏んだ。ひとまず同棲だけにして、もう少し様子を見たかったのだ。
ひとり、さとしだけは正式の結婚を希望した。
彼のM性を満足させ得る結婚は、貴美江を置いて考えられなかったからだ。
彼女ならば、このことを打ち明けて協力を求めることができる。
社長令嬢でも大臣の娘でも、彼のM性を理解してくれる女性でなければ、彼には全く意味がなかったのだ。
しかし三者の理解が得られなければ、とくに貴美江自身が当分の間の婚前同棲を希望する以上、この形態も止むを得なかった。
マンションを二部屋借りての、奇妙な同棲生活がこうしてはじまったのだ。
数日後、貴美江の部屋に、バーテンの遠藤がきていた。
彼女がもと勤めていたバーのチーフだが、ママの実質的な夫でもある。バーのママという職業も、独身でないと客がつかないものらしい。 
結婚していても、同棲していても、独身と称して通す女が多い。
遠藤は、そんなママの夫兼経営者、兼バーテン、マスター、チーフというわけだ。
二人は昼間っから、ウィスキーを飲みながら、テレビを見ている。テレビには山田さとしが出ていて、ギターを弾きながら「なぎさの女」という曲を歌っていた。
「今日のは、ビデオかな」
「生中継みたいよ。局で仕事だっていってたから」
「じゃ当分、旦那は帰ってこないね」
「旦那だって、あんなヤッ、私の召使いみたいなものよ」
「女王様と奴隷か、フッフッ、うまくやってるな」
「何よ、変な笑い方して、あんたがいけないのよ、私達の間を取り持ったりするから」
「いいじゃないか、それで皆が満足してるんだから。俺もこの関係が一番都合いいのよ」
遠藤の手が、すっとのびて貴美江の豊かなバストに触った。
「またァ、ママにいいつけるわよ」
「いまさら改まることはないだろう。両方とも正式に結婚しているわけじゃないんだから遠慮もいらんわけさ」
「フッフッ、それもそうね」
遠藤の手が素早く動いて、貴美江の乳房をむき出しにかかる。
「ウン、こいつがいいんだ、たまらないよ」
「くすぐったいよん」
彼の唇が、艶かな乳房の上についた朱いぐみの実を吸い始めている。
「亭主のテレビを見ながら、ソイツの女を頂くなんて、こたえられないぜ」
「悪趣味ね」
遠藤の措が、なれたしぐさで彼女のスカートの下にもぐり、パンティの中に侵入してきた。そこは確実に湿潤の地であった。
「もう、こんなに濡れてるじゃないか」
「あんたが悪いのよ。あいつ、弱くって、私は年中、欲求不満なの」
「だからこそ、俺の存在価値があるってものよ。こんないい女をほっとくなんて、もったいない話だ」
「でしょう……だから、うんといい気持ちにさせて」
「よし、本格的にやるか……」
バーテンにしては、やや男っぽい遠藤は貴美江の好みだった。裸になると、ボクシングで鍛えた筋肉が盛り上がっていて、見事な男性美である。
その点、さとしは逆で、色が白いうえに、女のようになよなよした体つきをしている。
胸毛などまるでない。
「いつ見ても、いい体しているわね、とくにこの部分が好き」
屹立しているものを、そっと掴んでみる。
確かな手ごたえである。
固く血管がふくれ上がっているような感触がたまらない。
さとしのふにゃまらとは、えらい違いだった。
「おい、触ってばかりいないで。お前も裸になれよ」
「嬉しい。何だかずいぶん久しぶりみたい」
「一週間前にきたばかりだぞ。ヤツが軽井沢に行ってた時だろ、浮気がばれたら、まずいんじゃないか」
「かまわないわ、あいつだってトルコへ行ったんだもの、拷問で白状させてやったの。そのあと逆吊りにしてあそこの毛を全部剃り落としてやったわ」
「そりゃ可哀相に」
「これで当分、トルコなんか行けないと思うわ。いい気味よ」
「自業自得じゃないか、いくぞ」
「あっ。せっかちね。もっとゆっくり……」
床慣れした貴美江の巧みな誘いであった。
   

女体ビール

 山田さとしは、顔や職業に似合わず、一種のトルコ病患者である。
トルコの看板を見ると無性に入りたくなる。
ことに最近はやりはじめたSMトルコには目がない。
都内の西の盛り場に、その道の人達には有名なSMトルコがある。
「あら、山田さん、しばらくね」
なじみの女、静子と指名すると、整形したのじゃないかと思わせるほど、ととのった顔の美人がにこやかに現われる。
「相変わらず、忙しいんでしょう」
「まあね、この間は軽井沢で仕事だったよ」
「あれ、テレビで見たわ、凄い人気ね。その人気タレントが私の足もとに膝まづいているなんて信じられないわ」
「それがいいんですよ。また今日もよろしくお願いします」
「よしよし、今日もうんと苛めてやるから、早く裸になりな」
「はい……」
「あんた、どうしたのよこれ、毛を剃られちゃったの」
「そうなんです。トルコ行きがばれてしまって……」
「へえ、きれいに剃られたわね、こうして見るとあんたのものも、なかなか立派ね」
「毛がないから、長く見えるんでしょう」
「まあいいわ、毛がなくたって。さあ、この首輪をつけてやるから、首を出せ」
赤い犬の首輪がはめられ、鎖をつけられてしまう。
「今日は手錠だよ、ホラ、うしろへ回して」
ガチャッ、ぶきみな金属音が浴室内に響きわたる。
「いい恰好だこと、首輪と手錠と鎖と、そして毛のないおチンチン。よし、そこに膝まづけ!」
ピシッ!ビタッ!
「痛い!」
「よそのトルコなんかへ行った罰よ。毛まで剃られてきて、何よ。こいつをチョン切ってやろうかしら」
「それはやめて下さい、それを切られると、できなくなります」
「スペアを貸してやるよ、それにチョン切ってもまた生えてくるから心配しなくていい」
「そんな……」
「実験済みだから.大丈夫だよ」
ピシャッ!ピシッ! 静子というこの女、冗談口を叩きながらも強烈な鞭をあててゆく。彼の尻や腰が、鞭痕で真ッ赤になる頃には、一物は隆々として天を向いていた。
「元気になったね、木当に長くて大きく見えるよ、今度はそれにろうそくを垂らして、こちこちに固めてやろう」
「ひいーっ、熱くしないで下さい」
「ろうのしずくなんて、そんなに熱いものじゃないわ。ただこいつをろうで固めて、その先っちょに火をつけてみたいのよ。おもしろいじゃないか」
「ひいーっ。助けて」
浴室のタイルの上に寝ころがしたさとしの股間に、太いろうそくの火から落ちるしたたりが、ぽつりぽつりと垂れはじめた。
「熱い、あつッ……」
「今日は他の場所には垂らさない、ここだけ集中して固めてやる。ろうが固まれぼ永久に立ったままだよ、嬉しいだろう」
「はい、嬉しいです。でも熱い。あっつ…」
みるみるうちに、さとしの男性は白いろうに蔽われて、グロテスクな固まりに変貌していく。
「さあできた。このさきっぽに火をつけてみるかい」
「や.やめて下さい、ダメです。それだけは……やめて」
さとしは必死になって叫んだ。まさかと思うが、やりかねない雰囲気があるのだ。
「こわい?」
「こわいです」
「じゃ、代わりに私のおしっこを飲む?」
「飲みます。飲みます」
まるこげのソーセージにされるよりは、ましである。
「おしっこ代は三千円。別に払うのよ」
「はい、払います.お願いします」
「じゃ飲ましてやる、ちょっと待ってね」
ろうそくの火を消して、静子はそっとパンティを脱いだ。
「ちゃんと上向いて、ロを開けな……」
「はい」
さとしの顔の上に、白い豊臀がずしりと乗った。
「こぼさないで、すっかり飲むんだよ」
「……………」
もう口がきけなかった。
なま暖いおさし身のようなものが、べたりと彼の口を蔽っていた。
そのさし身の間から、これもなまぬるいビールのような液体が、じわじわとしみ出してきた。
さし身ごとロの中に含むようにして、その液体をちゅうちゅうと吸う。
「バカ、あんまり強く吸っちゃだめよ」
吸うのをやめた瞬間、女体ビールはどっと堰を破るようにして口中へ侵入してきた。
ごくんごくんと喉が鳴った。
山田さとしの甘い声の秘密は、この女体ビールにあるらしい。
これを飲み続ける限り、彼の声は甘い魅力を失なわないだろうと、彼は信じていた。.
溢れるばかりの女体ビールを、彼はいつまでもいつまでも、飲み統けていたかった。


   栗 の 花

 テレビのビデオ撮りが終わって、珍しく昼の時間があいたので、さとしは自分のマンションへ帰ってきた。
こんな時間に帰るのは珍しかった。貴美江が退屈だからといって、もとのバー勤めに戻ったので、夜は彼女が自分の部屋にいないことが多い。
そのかわり、昼は遅くまで寝ている。
貴美江の部屋をたずねると、鍵がかかっていた。
留守かな、と思ったが、合い鍵があるのでドアを開けて入っていくと、寝室のほうから、妙な声が聞こえてくる。
「あっ……だめよ……まだ早いわ.一緒に、ねえ」
 「……………」
男のうめき声のようなものがしたが、はっきりしない。
女の声は、あきらかに貴美江の例のときの声だ。
さとしは、カーッと頭に血がのぼるのがわかった。
彼女が男を連れこんで、今その最中であるのは明瞭である。
籍は入れてないが、実質的には妻だと思っているさとしにとって、この有様はショック
だった。
相手の男が誰かを知りたくて、そっと寝室のドアを細目に開けて、なかを覗いた。
いましも、裸の男が腰をつかって突き立てている最中だった。
「遠藤だ……」
さとしは、声も出なかった。以前から、有名人好きの女で、一部には公衆便所というひどい綽名までついていたと聞いたことがある。
しかし特定の相手がきまって、同棲状態に入った現在、大ぴらにこういう振舞いをされ
るとは思わなかった。
だが逞しい遠藤の後ろ姿を見ると、とても中へ入り難詰する勇気が出ない。
「畜生、チーフの奴、俺の女を……」
口惜しい気持ちが、黒雲のように湧き上がってくる。
それを抑えつけるようにして、彼はそっと部屋を脱け出し、廊下の隅にたたずんで、遠藤が出てくるのをじっと辛抱強く待っていた。
やがて、軽くなった腰をゆすり上げるようにしながら、遠藤が部屋を出てきた。
ばったりと顔を合わせる。
さとしは鬼のような形相をして彼を睨みつけた。
 「やあ、山田さん。今日はお早いですね。いや。ちょっと奥さんの所へ用事があってね、こりゃまた……」
平然とした顔で、表情ひとつ変えずに、遠藤は廊下を遠ざかっていく。
何か怒鳴ろうと思っていたさとしは、そのうしろ姿を見送って、口をパクパクさせるだけだった。
そこで、バタン、とドアを荒々しく開け、貴美江の部屋へ入っていった。
「あら、チーフ、忘れもの?」
「……………」
「何だ、あんただったの、そこでチーフに会わなかった」
「会ったよ、しかし、いま、ここで、何をしてたんですか」
「アク、血相をかえてどうしたの。なんでもないわよ。ビールを飲みながら世間話してた
だけなんだから」
「嘘でしよ。ベッドがこんなに乱れてる」
「私が、それまで寝てたのよ」
「この汚れたティッシュは何ですか」
「一人でオナってたのよ、悪い?あんたが弱いから欲求不満がたまってたのを、一人で解消してたの。あんたのおかげよ」
「それは……それは、私は弱いです}
「弱過ぎるわよ、あんたぐらいの年頃だったら一週間に五回は普通よ。それに一回一回がもっと濃いわよ。それがあんたは何よ、月に二、三回が精いっぱいじゃないの」
「でも……僕はあなたを愛しているんです」
「愛しているなら、私を満足させるほど抱いてみたらどうなの、一晩にたっぷりいかせてみてよ」
「……………」
「わたしがオナニーしないでもすむように、頑張ってくれたらどうなの」
「しかし……」
「何が、しかしよ」
「この紙の匂いは、男の匂いです」
「お前、私に焼きもちをやくつもりなの」
「いえ、そんなことは……」
「婚約の時の約束条項を党えているかしら、嫉妬はしない、浮気は覚悟するって」
「でも、それは……」
「でももヘチマもないわ。お前は私の奴隷だよ。奴隷が御主人様をいちいち監督しようっていうのかい」
「すみません、僕が間違っていました」
「こんなこと、間違いではすまないわ。反省するまで徹底的にお仕置きしてやる」
「ごめんなさい。許して下さい」
「許さない。この柱にお前の両手両足を縛りつけてやるから、今夜一晩中、反省してな」
柱を背にして、ぐるぐる巻きにされたさとしは、ロの中へ遠藤と貴英江が後始末に使用したらしい栗の花の匂いのするちり紙の丸めたものをつめこまれ、その上から貴美江のパンティでぎゅうづめの猿ぐつわをされてしまった。
「これでいいわ。私はこれからお店へ出るから。明日の朝までこうしているんだよ。いい恰好だわ」
貴美江が出ていってから、もう何時間たつたろう。
憎らしい逮藤の精液をたっぷりと吸いこんだちり紙が、いま彼の口中で確実に溶けつつあるのだ。
吐き出したかった。
しかし実際には逆に喉から食道のほうへ押しこまれてゆく、彼女のパンティが芳香を発しながら、口の中に充満しているためだ。
「畜生!遠藤のやつ……」
栗の花の匂いが、強烈に鼻をつく、彼女の匂いとミックスしているが、情けないほど辛
い。
縛られている手と足とが、ジンジン痺れてくる。
何だか意識がもうろうとしてくるのだった。



   甘美な陶酔
 幻想に惑乱した脳裏に、遠藤の笑い声が聞こえてくる。
貴美江の勝ち誇ったような嘲笑が聞こえる。
「こいつ、私の奴隷のくせに、あんたに妬いてんのよ、生意気ね」
「マソのくせに。一人前の男みたいなことをいうじゃないか」
「そうなのよ、だからいま、お仕置きをしてこらしめているところ」
「俺の如意棒を、舐めさせてやるか」
「それがいいわ、喜ぶわよ、きっと」
やめてくれ、遠藤のものなんか、どうしてくわえたりできるもんか、さとしは心の中で絶叫していた。

そのとき、チャイムが鳴った。
「放っておけよ」
しつこく鳴らされるチャイム。
「誰かしら、あなた追っ払ってきてよ」
遠藤が玄関に出て,ドアスコープを覗くが誰もいない。
またチャイムが鳴り、遠藤はロックを回しドアを開けるとママが炎に包まれて屹立していた。
遠藤は凍り付き、言われるままチェーンを外してママを中に入れた。
なかなか戻ってこない遠藤に貴美江が声をかけたところ、ママに腕をとられ,うなだれて遠藤が戻ってきた。
「貴美ちゃん、こんばんは。あらあら、さとしちゃんなんて格好なのよ」
貴美江も凍り付いたまま言葉が出なかった。
「貴美ちゃん、相変わらず男をくわえ込んでるわね。公衆便所と言われるだけのことあるわね」
「だって、ママ」
「公衆便所のあんたにお似合いのものを見せてあげるわ」
ハイヒールのままで上がり込んだママは,遠藤を蹴り倒すとヒールで顔、胸、腹部まで激しくえぐり、絶叫をよそにその表情は嬉々として凶器と化したヒールで遠藤を責め倒していった。
「あら、良いもの持っているわね」
さとしが買ってきた鞭を手にすると顔から胸にかけて、鞭の嵐を吹かせた。
「知ってるかしら?こうするともっと効くのよ」
飲みかけのビールを鞭にかけ、革にたっぷり染みこませたところで再び激しい鞭を遠藤の全身に炸裂させた。
遠藤は白目をむき、何度か崩れ落ちながらもハイヒールでえぐられ,蹴られるたびにやっと覚醒し、その度に粗に強烈な折檻を受け続けた。
「あら、こんなものまであるのね」
ママの目が光った。
「貴美ちゃん、ビール持ってきな」
震えながらビール瓶を冷蔵庫から出してきた貴美江は言われるままに丼にビールを注ぎ込んだ。
ビール大瓶2本分遠藤の尻にビール浣腸を見舞うと粘着テープでぐるぐるに巻き、男根だけかろうじて露出した状態で遠藤を床に転がした。
「貴美ちゃん、公衆便所にお似合いのものを見せてあげるって言ったわね。よく見ておくのよ」
気を失いそうになりながら遠藤は腹部の激しい刺激にもだえていた。
「雪隠!」
そう短く言った途端に遠藤は飛び起きて正座し、上を向くと大きく口を開けた。
ママはゆっくりとまたいで、口に秘部を合わせた。
シャーッ、シュルシュルシュル、ジョー
蛇口全開の水道のようにママの小水が遠藤の口に注ぎ込まれ、どんどん飲み込まれていった。
すべて飲み終わると遠藤はそのまま倒れ込み気絶してしまった。
「貴美ちゃん、あんたは私の人間便器から公衆便所に使われたのよ」
貴美江は気を失いながら勃起したままの遠藤を呆然と眺めていた。
「愛しい旦那様を下ろしてあげたらどうかしら」
ママに促され、貴美江はさとしの縄をほどいた。
「さとしちゃんごめんね。痛かったわね」
「だって、ママ」
「さとしちゃんいつも傷だらけだけど、あんたの調教が足りないからトルコになんか行くのよ」
「私はただ、満たしてほしいだけなの」
「マゾ男って、一生治らないのよ。さとしちゃんの本当姿を見せてあげるわ」
何が起ころうとしているのか想像もつかずに狼狽える貴美江にママはゆっくりとさとしに近づいた。
「さとしちゃん、雪隠!フフフ」
貴美江は慌てた。
さとしは床に転がる遠藤に一瞥をくれるとさっと床に仰臥位をとった。
気をつけのまま天井を見つめるさとしに近寄る貴美江を制止して、ママが頭を挟んで立った。
先ほど遠藤に小水を与えたまま,パンティは着けていない。
スカートの中の茂みがさとしにはっきり見えたはずだ。
すっと顔にしゃがみ込むとスカートをたくし上げ、貴美江に尻を向けて,得意そうにポーズを決めた。
「貴美ちゃん、よく見ているのよ」
さとしはママの豊臀の中央を走るクラックに顔を包み込まれながら、アヌスに舌を這わせていった。
舌遣いのピチャピチャ跳ねる音が貴美江にも届いた。
「雪隠!」
その一言でさとしは舌使いをやめ、大きく口を開いた。
ンンン、ウンと息むとあたりに生暖かい空気が漂い、さとしが必死に頬を膨らませて、身を捩っていた。
それが3回繰り返され、さとしもママも脱力したまま動かなくなった。
さとしはママに用を足されてしまったに違いなかった。
夢見心地のさとしの頬をハイヒールで小突き、さとしに後始末を促していたようだった。
ゆっくりとママが腰を上げるとパンティを着け、今度は遠藤にハイヒールで一撃を食らわした。
うめき声とともに覚醒した遠藤は震えだしていた。
「貴美ちゃん、お風呂場貸してちょうだいね」
リビングに貴美江とさとしが残され、バスルームからの遠藤の絶叫を聞きながら,上を向いたままのさとしを貴美江が見つめていた。
いつになく優しい目をした貴美江はタオルでさとしの顔を拭っていた。
さとしはこのまま貴美江からも便器にされる覚悟をしたが、どうやらその気はないようだと感じ取っていた。
服を着た遠藤がママに支えられ、ふらつきながら戻ってきた。
顔もあざだらけで、精力に満ちあふれたさっきまでの勢いはどこにもなかった。
「貴美ちゃん、これで失礼するわね」
ママに急かされて遠藤は出て行った。

どこかのテレビかラジオが、さだまさしの『関白宜言』という歌を流していた。
彼の朦朧とした意識の中に、その歌詞が妙に新鮮に響いてくる。
 お前を嫁にもらう前に
 いっておきたいことがある
 かなりきびしい話をするが
 俺の本音を聴いておけ
 俺より先に寝てはいけない
 俺より後に起きてもいけない
 めしはうまくつくれ
 いつもきれいでいろ
「いい歌だ」
 さとしは、黙ってきき惚れていた。俺も同じ歌手だ。あんな歌をつくってみたい。
でも俺につくれるのは、せいぜい「奴隷宣言」って歌ぐらいだろうなあ。
「めしはうまくつくれ」か、貴美ちゃんが僕のために作ってくれるのはまさに黄金なんだな。
それ以来、貴美江は小水を餌にさとしを奮い立たせ、満足させられたら,黄金を与え、さらに奮い立たせては精をむさぼってその美貌を磨いていった。
さとしは貴美江の黄金を常食としてより一層テノールの甘い声に深みを増していった。

泣きべそ奴隷

  • 2013/12/03(火) 22:33:24

本格M派ノベル 泣きべそ奴隷強調文
北林 一登
飲尿ラプソディ:さとしの顔の上で巨臀がうねる。溢れ出る甘美な液体、美声の秘密はどうやらこの女体ビールにあるらしい

娶る条件

 シンガーソングライターの、山田さとしはホモではないかと間違えられるくらいの、優男だった。
声は独得の甘いテノールで、不思議な魅力があり、若い女性ファンを魅きつけていた。
白いメタルフレームの眼鏡をかけて、ギターをかかえ、ソフトに語りかけるように歌い出すと、女性はうっとりと聞き惚れ、知らぬ間に彼女らの花弁が濡れてくるといわれるのも、いちがいにレコード会社の宣伝だけではなさそうである。
しかし、彼には妻があった。
レコード会社の営業政策上、絶対に独身ということになっているので、世間に公表できなかったが、元バーのホステスをしていた貴美江という女性と同棲しているのだった。
もつとも、昼夜、一緒に暮らしているのではなく、同じマンションの中に二室を借り、一室に山田が、他の一室に貴美江が住んでいた。
そして夜になると、山田が貴美江の部屋へこっそり忍んで行く。
十月初めの午後、さとしは仕事で出かけていた、軽井沢から帰ってきた。自分の部屋に荷物を置き、室内着に着替えると貴美江の部屋を訪れた。
「さとし、いつ帰ってきたの?」
彼女はべッドの上に、だらしなく寝ころんだままだった。
「やあ、ただいま。貴美ちゃん、さびしかった?」
「そりゃさびしいわよ。一人ぼっちだもの。退屈で死にそうだったわ」
「ごめんごめん、すまなかったね」
例の甘ったるいテノールの声で、囁くようにいうと、彼は貴美江の白い足をさもいとおしそうに抱き寄せ、唇をつけてやさしく舐めてやった。
「ウフン、くすぐったい。そんなことより早く御飯の仕度をしてよ。私はこの二日間、ろくなものを食べていないんだから」
貴美江は、うんざりといった調子でさとしの顔をその白い足でポンと蹴とばすと、ついでに手を伸ばして彼の頬をピシャリとひっぱたいた。
「いま、つくりますよ。わかってますよ。貴美ちゃんはお腹がすくと御機嫌が悪くなるんだから」
それでも彼は嬉しそうに、いそいそとキッチンに立って食事の仕度をはじめた。馴れた手つきである。
貴美江は美貌だった。松坂慶子にそっくりだと他人に言われるだけあって、そこいらのホステス連中とは比較にならないぐらいに美しい。
山田さとしが口説きにロ説き、土下座までして彼女の愛を得たとは、二人を知る人達の話題となったものだ。
その時、貴美江が出した条件というのが変わっている。
一、彼女より先に寝てはいけない
二、彼女より後に起きてはいけない
三、食事の仕度は、彼が上手につくる
四、いつも清潔でいる
五、小うるさいことは、いっさいいわない
六、つまらない嫉妬をするな
七、彼女の浮気は覚悟をしておけ
八、彼は絶対に浮気をしてはならぬ
九、彼女を家だと思って大切にせよ
 ずいぶん虫のいい条件だと思ったが、美人を妻にするためにはこのぐらいの苦労をせねばなるまいと、さとしはこれを全面的に受け入れて彼女との同棲に入ったのだった。


   拷問の鞭
        
「あら、あんた、今夜は少し元気がないみたい?」
「そんなことはないはずだけど……」
「いつもより柔らかいわよ。私の体の中の感じだから、すぐわかるのよ。さては、浮気したな」
「とんでもない、旅から帰ったばかりだから疲れてるんですよ」
「疲れてる?変だわ。この柔らかさは。射精後二時間以内のものだね。経験でわかるよ、白状しな」
「困つたな。ウソじゃありません。ほんとに疲れてるだけですよ」
「私を欺そうったって駄目よ。それ見ろ、身に覚えがあるものだから、うしろめたくて縮み上がっているわ」
自分の体から引き抜かせた一物を、貴美江は汚ないものでも持ちよげるように、指でつまんで引っ張った。
「信じて下さいよ。私にとっては貴美ちゃんだけが女性なんです」
「まだそんなことをいってるな。よし、拷問して、白状させてる。素裸になって手をうしろに回しな」
「勘弁してよ、ホントに浮気なんかしてないんだから……」
「お前。私と一緒になる時、なんて言った?奴隷になります。女王様としておつかえしますって誓ったじゃないか」
「覚えてますよ、その通りしております」
しゃべっているうちに、貴美江の手は素早く動いて、彼を後ろ手に縛りあげ、繩尻を鴨居に通してぐいぐい引き上げてしまう。
つま先立ちに吊られたさとるの前に近づくと、彼女は伸びた爪で、彼の乳首を強くひねりあげた。
「痛い! 痛いですよ」
「当たり前よ、痛くしてるんだもの。だんだんひどくなるよ、早く白状したほうが身のためよ」
貴美江はこんな演技をしていると、いつも体がゾクゾクしてくる。遊びにやっていたSMプレイが、これほど楽しいものだとは思わなかった。
先天的に自分にはSの気があったのかも知れないと思う。何しろ男を苛めているだけで体の芯のほうがねっとり濡れてくるのだ。
「今日は、まず淀腸してから、鞭を使ってやろう」
「アア、許して下さい」
「何よ、体はこんなに喜んでいるくせに」
浣腸とか鞭とかいう言葉を聞くと、さとしの男性はそれだけで、条件反射よろしくビンンたかぶってくる。
「千ccほど、入れてやるわ。さア。お尻をあげな」
「ヒーイッ」
責め道具はすべて揃っていた。手錠でも鞭でも浣腸器でもすべてさとしが買ってきたものだ。
グリセリンをお湯にといて、淀腸器に入れると、太い嘴昿をズブリと彼の肛門に突っ立ててやる。
「グェツ」
「ほらほら、気持ちいいだろう、気特ちいいってお言い!」
「はい、気持ちいいです」
事実、体内に入れたばかりの時は、なまぬるいお湯も気持ちのいいものである。しかし五分も立つともういけない。
腸はグルグル鳴り、下腹が痛くなって耐えられなくなる。
「ああ、もうだめです」
「コケシ人形で、栓をしといてやるよ。これなら大丈夫だろ」
やや細目のコケシ人形、これも大人のオモチャ屋で彼が買ってきたものだ。それをまるでコルクの栓のように、さとしのヒップにスッポリと挿入してしまう。
「さあ、これからゆっくり責めてやる。鞭は何発欲しい」
「五発ぐらいで結構です」
「何、五十発?遠慮したわね。ようし、行くわよ」
ビシーッ!ピシリ!ピシャリッ!
さとしの尻は、みろみるうちに赤く腫れ上がり、みみず腫れの線が縦横に走った。
「ヒーッ、痛い!」
「さあ、お言い。軽井沢に行ってる間に、何回浮気したの」
「浮気はしません……ただ……」
「ただ、何だい。はっきりいわないか」
ビシーッ!
「いいます、トルコ風呂ヘー回行っただけですよ」
「いよいよ白状したな。軽井沢にトルコ風呂があるのか?」
「いえ、帰る途中の深谷にあるトルコです」
「不潔な男、やっぱり二時間以内に射精してるって本当だったろう」
「嘘いってすみません。もう限界です。トイレへ行かして下さい」
「バカッ、今度はトルコへ行ったお仕化置きだよ。鞭五十発追加!」
「うヘーっ!」


  ジャングルの虎

 貴美江は、山田さとしと同棲関係にはあるものの、それほど彼を愛してはいなかった。
ただシンガーソングライターとして、テレビなどで有名な男である点が気に入って、つき
合いはじめたのである。
彼女は大体が有名人好きだった。歌手、俳優、政治家、小説家、とにかく有名人であれば交際してみたいのだ。銀座のバーでも彼女は目立つほうだったから、相手に不自由はなくいままでに五指を屈する男達が、彼女の餌食になりている。いや貴美江のほうが餌食にされたのかも知れない。 
けれども、山田さとしの場合だけは、ちょっと違っていた。
ほかの男のように遊びではなく、彼は献身的に貴美江につくし、結婚を求めてやまなかった。
ホステスにとって、結婚という餌は魅力だし.まして相手は歌手の有名人である。
少しやさし過ぎるのが気になったが、暴力亭主よりはましだろうとも思った。彼女の本音は力強く、自分を引っぱっていってくれる型の男性に憧れていたのだが……。
こうして二人は深い関係に入ったのだが、初めて彼とベッドを共にした夜、さとしから意外なことを打ち明けられた。
「貴美ちゃん。僕、恥すかしいんだけど、このままでは立たんのよ」
「あら.若いのに、あんた.インポなの?」
「違うんだ、貴美ちゃん、マゾつて知ってますか」
「知ってるわ、SとかMとかいうんでしよ。私は酒場勤めしてるから、耳学問でたいていのこと、おぼえちゃうのよ」
「僕、女の人に苛められないと燃えないんです。立たないんです。ここに縄や鞭があるから、これで苛めてくれませんか」
「いやだなあ、私。遊びでならしてやってもいいけど、結婚する相手がMだなんて、想像していなかったわ」
貴美江は、本当にイヤそうな顔をした。
「さあ、変なことをいわないで、一諸に寝ましょう。大丈夫、大きくなるわよ、私が必ず大きくしてあげる」
しぶしぶベッドに入ってきたさとしを、彼女は指や唇、舌などさまざまなテクニックを使って刺激してやったが、それはピクリともせず、ジャングルの中にひそむ子描のようなおとなしさだった.
「だめねえ、ほんとにあんたって、苛めないとだめなの?」
「すみません、フェラチオなんかして頂くとかえって萎縮してしまうんです」
「じゃ、勝手におし、私、もう疲れたわ」
後ろに引っくりかえると、ベッドに寝そべった貴美江の足を、さとしはさも尊いものでも扱うように両手でささげ.足指の一本一本を舐めはじめた.
「馬鹿!くすぐったいじゃないか」
バシッ!と彼の顔を足で蹴とばすと、さとしはもんどり打って、ベッドから床の上に
ころげ落ちた。
ひき蛙が潰れたようになったぶざまな男を見て、彼女は腹立ちまぎれにその上へ乗り、両足でぐいぐい踏みつけてやった。
顔も、胸も、腹も・…:そのとき、さとしの下腹部に縮んでいた男性が、異常な速度で膨張を開始したのを、彼女の眼が捕えた。
「ぐえっ!痛い痛い、貴美ちゃん、……許して!」
さとしの悲鳴とは反対に、それはあたかもジャングルの中からヌッと現われた虎そっくり、頭をピンと持ち上げ、たくましくかがやいていた。


   浮 気 妻

 さとしが、ホステスの貴美江と結婚したいと言い出したことは、彼の実家とプロダクションとをひどく驚かせた。
山田家では親族会議を開いて、この結婚に反対を表明した。代々堅い家庭で、そもそも息子が芸能界へ入ったのさえ気にいらないのに、今度は水商売の女との結婚である。
プロダクションとしても。せっかく売れはじめた人気に傷がつくという理由で反対した。せめて同棲の範囲にとどめ、結婚という形態はとらないで欲しいと要望した。
当の貴美江も、さとしの性癖を考えると、結婚に二の足を踏んだ。ひとまず同棲だけにして、もう少し様子を見たかったのだ。
ひとり、さとしだけは正式の結婚を希望した。
彼のM性を満足させ得る結婚は、貴美江を置いて考えられなかったからだ。
彼女ならば、このことを打ち明けて協力を求めることができる。
社長令嬢でも大臣の娘でも、彼のM性を理解してくれる女性でなければ、彼には全く意味がなかったのだ。
しかし三者の理解が得られなければ、とくに貴美江自身が当分の間の婚前同棲を希望する以上、この形態も止むを得なかった。
マンションを二部屋借りての、奇妙な同棲生活がこうしてはじまったのだ。
数日後、貴美江の部屋に、バーテンの遠藤がきていた。
彼女がもと勤めていたバーのチーフだが、ママの実質的な夫でもある。バーのママという職業も、独身でないと客がつかないものらしい。 
結婚していても、同棲していても、独身と称して通す女が多い。
遠藤は、そんなママの夫兼経営者、兼バーテン、マスター、チーフというわけだ。
二人は昼間っから、ウィスキーを飲みながら、テレビを見ている。テレビには山田さとしが出ていて、ギターを弾きながら「なぎさの女」という曲を歌っていた。
「今日のは、ビデオかな」
「生中継みたいよ。局で仕事だっていってたから」
「じゃ当分、旦那は帰ってこないね」
「旦那だって、あんなヤッ、私の召使いみたいなものよ」
「女王様と奴隷か、フッフッ、うまくやってるな」
「何よ、変な笑い方して、あんたがいけないのよ、私達の間を取り持ったりするから」
「いいじゃないか、それで皆が満足してるんだから。俺もこの関係が一番都合いいのよ」
遠藤の手が、すっとのびて貴美江の豊かなバストに触った。
「またァ、ママにいいつけるわよ」
「いまさら改まることはないだろう。両方とも正式に結婚しているわけじゃないんだから遠慮もいらんわけさ」
「フッフッ、それもそうね」
遠藤の手が素早く動いて、貴美江の乳房をむき出しにかかる。
「ウン、こいつがいいんだ、たまらないよ」
「くすぐったいよん」
彼の唇が、艶かな乳房の上についた朱いぐみの実を吸い始めている。
「亭主のテレビを見ながら、ソイツの女を頂くなんて、こたえられないぜ」
「悪趣味ね」
遠藤の措が、なれたしぐさで彼女のスカートの下にもぐり、パンティの中に侵入してきた。そこは確実に湿潤の地であった。
「もう、こんなに濡れてるじゃないか」
「あんたが悪いのよ。あいつ、弱くって、私は年中、欲求不満なの」
「だからこそ、俺の存在価値があるってものよ。こんないい女をほっとくなんて、もったいない話だ」
「でしょう……だから、うんといい気持ちにさせて」
「よし、本格的にやるか……」
バーテンにしては、やや男っぽい遠藤は貴美江の好みだった。裸になると、ボクシングで鍛えた筋肉が盛り上がっていて、見事な男性美である。
その点、さとしは逆で、色が白いうえに、女のようになよなよした体つきをしている。
胸毛などまるでない。
「いつ見ても、いい体しているわね、とくにこの部分が好き」
屹立しているものを、そっと掴んでみる。
確かな手ごたえである。
固く血管がふくれ上がっているような感触がたまらない。
さとしのふにゃまらとは、えらい違いだった。
「おい、触ってばかりいないで。お前も裸になれよ」
「嬉しい。何だかずいぶん久しぶりみたい」
「一週間前にきたばかりだぞ。ヤツが軽井沢に行ってた時だろ、浮気がばれたら、まずいんじゃないか」
「かまわないわ、あいつだってトルコへ行ったんだもの、拷問で白状させてやったの。そのあと逆吊りにしてあそこの毛を全部剃り落としてやったわ」
「そりゃ可哀相に」
「これで当分、トルコなんか行けないと思うわ。いい気味よ」
「自業自得じゃないか、いくぞ」
「あっ。せっかちね。もっとゆっくり……」
床慣れした貴美江の巧みな誘いであった。
   

女体ビール

 山田さとしは、顔や職業に似合わず、一種のトルコ病患者である。トルコの看板を見ると無性に入りたくなる。
ことに最近はやりはじめたSMトルコには目がない。
都内の西の盛り場に、その道の人達には有名なSMトルコがある。
「あら、山田さん、しばらくね」
なじみの女、静子と指名すると、整形したのじゃないかと思わせるほど、ととのった顔の美人がにこやかに現われる。
「相変わらず、忙しいんでしょう」
「まあね、この間は軽井沢で仕事だったよ」
「あれ、テレビで見たわ、凄い人気ね。その人気タレントが私の足もとに膝まづいているなんて信じられないわ」
「それがいいんですよ。また今日もよろしくお願いします」
「よしよし、今日もうんと苛めてやるから、早く裸になりな」
「はい……」
「あんた、どうしたのよこれ、毛を剃られちゃったの」
「そうなんです。トルコ行きがばれてしまって……」
「へえ、きれいに剃られたわね、こうして見るとあんたのものも、なかなか立派ね」
「毛がないから、長く見えるんでしょう」
「まあいいわ、毛がなくたって。さあ、この首輪をつけてやるから、首を出せ」
赤い犬の首輪がはめられ、鎖をつけられてしまう。
「今日は手錠だよ、ホラ、うしろへ回して」
ガチャッ、ぶきみな金属音が浴室内に響きわたる。
「いい恰好だこと、首輪と手錠と鎖と、そして毛のないおチンチン。よし、そこに膝まづけ!」
ピシッ!ビタッ!
「痛い!」
「よそのトルコなんかへ行った罰よ。毛まで剃られてきて、何よ。こいつをチョン切ってやろうかしら」
「それはやめて下さい、それを切られると、できなくなります」
「スペアを貸してやるよ、それにチョン切ってもまた生えてくるから心配しなくていい」
「そんな……」
「実験済みだから.大丈夫だよ」
ピシャッ!ピシッ! 静子というこの女、冗談口を叩きながらも強烈な鞭をあててゆく。彼の尻や腰が、鞭痕で真ッ赤になる頃には、一物は隆々として天を向いていた。
「元気になったね、木当に長くて大きく見えるよ、今度はそれにろうそくを垂らして、こちこちに固めてやろう」
「ひいーっ、熱くしないで下さい」
「ろうのしずくなんて、そんなに熱いものじゃないわ。ただこいつをろうで固めて、その先っちょに火をつけてみたいのよ。おもしろいじゃないか」
「ひいーっ。助けて」
浴室のタイルの上に寝ころがしたさとしの股間に、太いろうそくの火から落ちるしたたりが、ぽつりぽつりと垂れはじめた。
「熱い、あつッ……」
「今日は他の場所には垂らさない、ここだけ集中して固めてやる。ろうが固まれぼ永久に立ったままだよ、嬉しいだろう」
「はい、嬉しいです。でも熱い。あっつ…」
みるみるうちに、さとしの男性は白いろうに蔽われて、グロテスクな固まりに変貌していく。
「さあできた。このさきっぽに火をつけてみるかい」
「や.やめて下さい、ダメです。それだけは……やめて」
さとしは必死になって叫んだ。まさかと思うが、やりかねない雰囲気があるのだ。
「こわい?」
「こわいです」
「じゃ、代わりに私のおしっこを飲む?」
「飲みます。飲みます」
まるこげのソーセージにされるよりは、ましである。
「おしっこ代は三千円。別に払うのよ」
「はい、払います.お願いします」
「じゃ飲ましてやる、ちょっと待ってね」
ろうそくの火を消して、静子はそっとパンティを脱いだ。
「ちゃんと上向いて、ロを開けな……」
「はい」
さとしの顔の上に、白い豊臀がずしりと乗った。
「こぼさないで、すっかり飲むんだよ」
「……………」
もう口がきけなかった。
なま暖いおさし身のようなものが、べたりと彼の口を蔽っていた。
そのさし身の間から、これもなまぬるいビールのような液体が、じわじわとしみ出してきた。
さし身ごとロの中に含むようにして、その液体をちゅうちゅうと吸う。
「バカ、あんまり強く吸っちゃだめよ」
吸うのをやめた瞬間、女体ビールはどっと堰を破るようにして口中へ侵入してきた。
ごくんごくんと喉が鳴った。
山田さとしの甘い声の秘密は、この女体ビールにあるらしい。
これを飲み続ける限り、彼の声は甘い魅力を失なわないだろうと、彼は信じていた。.
溢れるばかりの女体ビールを、彼はいつまでもいつまでも、飲み統けていたかった。


   栗 の 花

 テレビのビデオ撮りが終わって、珍しく昼の時間があいたので、さとしは自分のマンションへ帰ってきた。
こんな時間に帰るのは珍しかった。貴美江が退屈だからといって、もとのバー勤めに戻ったので、夜は彼女が自分の部屋にいないことが多い。
そのかわり、昼は遅くまで寝ている。
貴美江の部屋をたずねると、鍵がかかっていた。
留守かな、と思ったが、合い鍵があるのでドアを開けて入っていくと、寝室のほうから、妙な声が聞こえてくる。
「あっ……だめよ……まだ早いわ.一緒に、ねえ」
 「……………」
男のうめき声のようなものがしたが、はっきりしない。
女の声は、あきらかに貴美江の例のときの声だ。
さとしは、カーッと頭に血がのぼるのがわかった。
彼女が男を連れこんで、今その最中であるのは明瞭である。
籍は入れてないが、実質的には妻だと思っているさとしにとって、この有様はショック
だった。
相手の男が誰かを知りたくて、そっと寝室のドアを細目に開けて、なかを覗いた。
いましも、裸の男が腰をつかって突き立てている最中だった。
「遠藤だ……」
さとしは、声も出なかった。以前から、有名人好きの女で、一部には公衆便所というひどい綽名までついていたと聞いたことがある。
しかし特定の相手がきまって、同棲状態に入った現在、大ぴらにこういう振舞いをされ
るとは思わなかった。
だが逞しい遠藤の後ろ姿を見ると、とても中へ入り難詰する勇気が出ない。
「畜生、チーフの奴、俺の女を……」
口惜しい気持ちが、黒雲のように湧き上がってくる。
それを抑えつけるようにして、彼はそっと部屋を脱け出し、廊下の隅にたたずんで、遠藤が出てくるのをじっと辛抱強く待っていた。
やがて、軽くなった腰をゆすり上げるようにしながら、遠藤が部屋を出てきた。
ばったりと顔を合わせる。
さとしは鬼のような形相をして彼を睨みつけた。
 「やあ、山田さん。今日はお早いですね。いや。ちょっと奥さんの所へ用事があってね、こりゃまた……」
平然とした顔で、表情ひとつ変えずに、遠藤は廊下を遠ざかっていく。
何か怒鳴ろうと思っていたさとしは、そのうしろ姿を見送って、口をパクパクさせるだけだった。
そこで、バタン、とドアを荒々しく開け、貴美江の部屋へ入っていった。
「あら、チーフ、忘れもの?」
「……………」
「何だ、あんただったの、そこでチーフに会わなかった」
「会ったよ、しかし、いま、ここで、何をしてたんですか」
「アク、血相をかえてどうしたの。なんでもないわよ。ビールを飲みながら世間話してた
だけなんだから」
「嘘でしよ。ベッドがこんなに乱れてる」
「私が、それまで寝てたのよ」
「この汚れたティッシュは何ですか」
「一人でオナってたのよ、悪い?あんたが弱いから欲求不満がたまってたのを、一人で解消してたの。あんたのおかげよ」
「それは……それは、私は弱いです}
「弱過ぎるわよ、あんたぐらいの年頃だったら一週間に五回は普通よ。それに一回一回がもっと濃いわよ。それがあんたは何よ、月に二、三回が精いっぱいじゃないの」
「でも……僕はあなたを愛しているんです」
「愛しているなら、私を満足させるほど抱いてみたらどうなの、一晩にたっぷりいかせてみてよ」
「……………」
「わたしがオナニーしないでもすむように、頑張ってくれたらどうなの」
「しかし……」
「何が、しかしよ」
「この紙の匂いは、男の匂いです」
「お前、私に焼きもちをやくつもりなの」
「いえ、そんなことは……」
「婚約の時の約束条項を党えているかしら、嫉妬はしない、浮気は覚悟するって」
「でも、それは……」
「でももヘチマもないわ。お前は私の奴隷だよ。奴隷が御主人様をいちいち監督しようっていうのかい」
「すみません、僕が間違っていました」
「こんなこと、間違いではすまないわ。反省するまで徹底的にお仕置きしてやる」
「ごめんなさい。許して下さい」
「許さない。この柱にお前の両手両足を縛りつけてやるから、今夜一晩中、反省してな」
柱を背にして、ぐるぐる巻きにされたさとしは、ロの中へ遠藤と貴英江が後始末に使用したらしい栗の花の匂いのするちり紙の丸めたものをつめこまれ、その上から貴美江のパンティでぎゅうづめの猿ぐつわをされてしまった。
「これでいいわ。私はこれからお店へ出るから。明日の朝までこうしているんだよ。いい恰好だわ」
貴美江が出ていってから、もう何時間たつたろう。
憎らしい逮藤の精液をたっぷりと吸いこんだちり紙が、いま彼の口中で確実に溶けつつあるのだ。
吐き出したかった。
しかし実際には逆に喉から食道のほうへ押しこまれてゆく、彼女のパンティが芳香を発しながら、口の中に充満しているためだ。
「畜生!遠藤のやつ……」
栗の花の匂いが、強烈に鼻をつく、彼女の匂いとミックスしているが、情けないほど辛
い。
縛られている手と足とが、ジンジン痺れてくる。
何だか意識がもうろうとしてくるのだった。


甘美な陶酔

 幻想に惑乱した脳裏に、遠藤の笑い声が聞こえてくる。
貴美江の勝ち誇ったような嘲笑が聞こえる。
「こいつ、私の奴隷のくせに、あんたに妬いてんのよ、生意気ね」
「マソのくせに。一人前の男みたいなことをいうじゃないか」
「そうなのよ、だからいま、お仕置きをしてこらしめているところ」
「俺の如意棒を、舐めさせてやるか」
「それがいいわ、喜ぶわよ、きっと」
やめてくれ、遠藤のものなんか、どうしてくわえたりできるもんか、さとしは心の中で絶叫していた。
男の逞しい下半身が、彼の顔前に迫ってきた。
彼のと違い、陰毛もふさふさと繁り、濡れて黒光りするコックである。
いま、貴美江の体内から引き抜いてきたばかりのそれは湯気が立つほど熱く脈打っている。
「口を開けな」
貴美江が、彼の唇に指をかけて開けようとする。
抵抗して開くまいとするさとし。
彼女の手が素早く動いて、彼の両頬に強烈なビンタをくれていた。
さとしは涙ながらに口を開けた。大きな遠藤のコックが、ズブリと彼の口を犯した。
栗の花の匂いが、ツンと鼻を刺激する。
「よく舐めるんだよ。わたしの旦那様のものだから、きれいに清めなさい」
畜生!俺の女を犯しやがって!さとしはロ惜しがった。
しかしその口惜しさは次第に甘美な陶酔に変わっていりた。
男の匂いはイヤだが、彼の如意棒も貴美江の体内にあって、彼女の体液にまみれていたはずではないか。
それならいましゃぶっている肉棒も、附着している液体は女のものではないか。
そう思うと、さとしはいま飲みこんでいるものがいとおしくさえなってきた。
「貴美ちゃん………」
どこかのテレビかラジオが、さだまさしの『関白宜言』という歌を流していた。
彼の朦朧とした意識の中に、その歌詞が妙に新鮮に響いてくる。
 お前を嫁にもらう前に
 いっておきたいことがある
 かなりきびしい話をするが
 俺の本音を聴いておけ
 俺より先に寝てはいけない
 俺より後に起きてもいけない
 めしはうまくつくれ
 いつもきれいでいろ
「いい歌だ」
 さとしは、黙ってきき惚れていた。俺も同じ歌手だ。あんな歌をつくってみたい。
でも俺につくれるのは、せいぜい「奴隷宣言」って歌ぐらいだろうなあ。
そんなことが頭の中に浮かんでは消えていった……